「Thinkstock」より

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 老後の生活をどのように送りたいでしょうか。

 やりたいことをして悠々自適に暮らしたいと思っている人、時間ができたので勉強をしたいと思っている人、死ぬまで働きたいと思っている人、老後にお金が足りなくなることが心配で老後の暮らしなど考えられない人、さまざまな方がいらっしゃると思います。

 老後の自由時間は働いていた期間(43年間以上)の自由時間の合計よりも長いのです。こんなに長い自由な時間を有意義に、楽しく過ごさなければつまりません。楽しく暮らしても、心配して過ごしても同じ人生なら、楽しまなければもったいないと思いませんか。では、どうしたら心配しないで楽しく暮らせるか考えてみましょう。

●老後の必要生活費

 心配する一番大きな理由は、お金がいくらあれば暮らしていけるのかがわからないことです。そこで、まず老後資金はいくらあれば大丈夫なのかを知ることから始めましょう。生命保険文化センター(2013年度)の調査によると、老後夫婦の最低日常生活費は平均22万円、ゆとりある老後夫婦の日常生活費は平均35.4万円です。

 65歳の夫と60歳の妻が平均寿命の男80.79歳、女87.05歳(厚生労働省16年7月27日発表)までにかかる最低生活費の平均は以下の算式で求められます。

夫婦の期間   22(万円)×12(カ月)×約16(年)=4224万円
妻だけの期間  22×0.7(1人分)×12×11(1人の期間)=2032.8万円

 合計約6257万円。この金額から今後入ってくる年金等の金額を引けば用意すべき金額がわかります。平均の年金等の収入は月約22万円といわれています。

 もし、あなたに平均的な年金等の収入があり、老後質素に暮らすならば、臨時出費(家の修理、医療、介護等)の費用だけを用意すれば暮らしていけます。つまり、収入の範囲内で暮らしていけば、眠れないほど心配する必要はないのです。

 70歳になれば、医療費の窓口負担は2割になります。一定の収入以下なら1年間1000円でシルバーパスが手に入り、都営地下鉄、バスが無料で乗れます。各地域で体操、趣味のサークルをやっているので、格安な費用で参加できます。社会に参加して、運動(ウォーキングと筋トレ)をしていれば、筋肉の衰えや認知症を防ぐことも可能で、医療費、介護費も節約できます。

●毎月赤字になる場合

 年金等の収入が平均以下で月々の収支が赤字になる場合は老後資金について考えなければなりません。貯蓄はいくらあるか、月々いくら取り崩すことになるのか、その貯蓄は何年もつのかを計算してみましょう。

 平均貯蓄額の約1800万円あるとして、月々の赤字が4万円なら、1年48万円取り崩すことになります。予備費を500万円とっておいても貯蓄は27年間(平均寿命まで)もちます。

 貯蓄がない場合はリバースモーゲージを利用する方法もあります。8割以上の高齢者は家を持っているので、その家を担保に老後資金を借りるのがリバースモーゲージです。ただし、住居地によってはリバースモーゲージを利用できない場合もあります。

 最後の手段として、貯金も家もなく、働くこともできず、月々の年金では生活できない方は生活保護を受けましょう。憲法25条で国は最低限度の生活を国民に保障しています。生活保護を受ければ、老後難民にならずに済みます。心配しないで楽しい老後を過ごしましょう。
(文=藤村紀美子/ファイナンシャル・プランナー)