アウディがル・マン含むWECシリーズからの撤退を表明。今後はフォーミュラEに資源集中

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アウディ・スポーツが1999年から継続参戦してきたル・マン・シリーズ〜FIA世界耐久選手権からの撤退を表明しました。今後は、2014年から関わっている電動フォーミュラカーレース フォーミュラE との関係を強化するとのこと。

アウディのル・マン24時間耐久レース優勝回数13回はポルシェに次ぐ歴代2位。その他のレースも含めた優勝回数は106勝を数えます。ディーゼルエンジンやハイブリッドシステムをいち早く投入しつつ、常に優勝を争う強豪として君臨しました。アウディは一方で、2014年からはじまった電動フォーミュラカーレース、フォーミュラEにもドイツのアプトチームとともに参戦しています。アウディのルパート・シュテードラー氏は「われわれは今後、電力でレースを戦う。電気で走る市販車は増加しており、モータースポーツもそうなる必要がある」とコメントしています。

なお、ドイツ国内のツーリングカー選手権 DTM(Deutsche Tourenwagen Masters)への参戦は継続。FIAワールドラリークロスへの参戦の可能性も残されています。

近年のWECは、アウディ、ポルシェ、トヨタによる高いレベルでの争いが目玉となっており、数時間走っても1周以内という僅差での戦いが繰り広げられていました。アウディはこの3メーカーの中でも特に攻めた車を投入してくるのが特長であり、たとえば従来なら1時間以上はかかっていたレース中のパワーユニット/ミッションの修理作業を十数分で終えられるようにしたり、カウルを外せばフォーミュラカーと見間違えるほど無駄を削ぎ落とした車体設計を早くから導入してきたメーカーでもあります。

今回のアウディの撤退は、フォルクスワーゲンに端を発する欧州でのディーゼルエンジン離れが影響しているかもしれません。アウディはWEC 3大メーカーのなかで唯一ディーゼルハイブリッドで参戦していましたが、フォルクスワーゲンに端を発するディーゼルエンジンの排ガス不正問題が問題となり、グループの財政を圧迫しています。当のフォルクスワーゲン、そしてアウディも今後ディーゼルよりもEVに注力するとしているうえ、ドイツ議会は2030年までに内燃機関を搭載する自動車の販売を禁止する方針を打ち出しました。

これでは今後WECでディーゼルハイブリッドの開発を続けても、大きな見返りは期待できなさそうです。それどころかドイツ国内で内燃機関の自動車販売が禁止されるならば、ドイツの自動車メーカーとしてはEVの開発に向かわざるを得ません。自動車レースは常にマシンを限界付近で走行させるため、技術開発にはうってつけの環境です。新技術をいち早く投入してきたアウディがいまフォーミュラEへステアリングを切ったのも、当たり前といえば当たり前の話と言えそうです。

ちなみに、フォーミュラEにはアウディを始めBMW、ルノー、ジャガーといった自動車メーカーから、Faraday Furureといった新興EVメーカーがすでにチーム提携やシリーズ運営面で参加しています。日本からはルノー絡みの日産やトヨタが機会をうかがっているとも言われるものの、まだ正式に参戦を決めたメーカーはありません。

下は10月9日に開催されたフォーミュラE第3シーズン 香港ePrixのハイライト映像。

赤・黃・緑のカラーリングのマシンがアプト・シェフラー・アウディスポーツ。


こちらは10月14日に行われたFIA WEC 富士6時間耐久レースの模様