Doctors Me(ドクターズミー)- 頼り過ぎると下剤依存症を引き起こすことも...便秘薬との正しい付き合い方

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女性に多い「便秘」一刻も早く解決したいですが、なかなか症状が解消しないため下剤や便秘薬に頼ることもあるかと思われます。

しかし、下剤や便秘薬を使用しすぎると依存症になってしまって、薬なしでは排便が出来なくなる危険性も。

そこで今回は「正しい下剤・便秘薬との付き合い方」について、薬剤師の吉澤先生に解説をしていただきました。

下際の種類1:刺激性下剤

腸の蠕動運動とは、腸が収縮と弛緩を繰り返してポンプのように便を押し出しだすことを言います。刺激性下剤は、腸の粘膜を刺激し蠕動運動を促進します。

効果が強く、習慣性があり長期継続使用すると効果が減弱し使用量を増やさないと効かなくなる傾向にあります。便意に腹痛が伴うことも多い下剤です。習慣性から長期間大量に服用し続けるケースもあり注意が必要です。

刺激性下剤の種類


<アントラキノン系>
センナや漢方の大黄、アロエなどの生薬から作られた薬剤です。

<ジフェニルメタン系>
ピコスルファートナトリウムやビサコジルによる薬剤です。

下剤の種類2:機械性下剤

便の容量を水分で増加させることで柔らかくし排泄しやすくする製剤です。機械性下剤はさらに以下の4つの製剤があります。

膨張性下剤


<成分>
・寒天
・プランタゴ・オバタ
・小麦ふすま(小麦粒の表皮部分)

<効能>
多量の水と一緒に服用すると、薬自体が食物繊維のように、腸内の水分を吸収し、膨張します。その結果、便のカサが増え大腸が刺激されるため排便が促されます。

湿潤性下剤


<成分>
ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)

<効能>
腸表面を柔らかくすし硬い便も水分を吸収しやすくするため、便のカサが増え大腸が刺激され排便が促されます。
 

塩類下剤


<成分>
酸化マグネシウム

<効能>
マグネシウムなどの塩類は腸から吸収されないため、服用すると腸管内の浸透圧が上がり、腸内の水分が増すため便が柔らかくなりカサが増大え大腸が刺激され排便が促されます。

坐剤


<成分>
・炭酸水素ナトリウム
・ビサコジル

<効能>
坐剤は、炭酸水素ナトリウムを含み直腸内で炭酸ガスを発生させます。その炭酸ガスが直腸を刺激し排便を誘発します。効果の発現が早いことも特徴で肛門に挿入後、15〜30分で効果が現れます。

下剤を使用する際に起きる副作用


下剤の使用によって起こりうる副作用をあげると以下のようなものがありますが、 発生頻度や重症度は個人差があります。

・腹痛
・痙攣
・便秘の悪化
・動悸
・不整脈
・むくみ

下剤は、用法・用量を守って服用すれば大きな副作用の心配はありませんが、便意に腹痛を伴う場合がありますので注意が必要です。

下剤依存症とは

下剤を多用した結果、腸の蠕動運動が低下し、下剤を服用しなければ自然な排便が起きにくい状態となり、さらに下剤を多用してしまう悪循環を「下剤依存症」といいます。

依存してしまう原因


一番の原因は、下剤の長期服用により腸本来の動きが鈍くなることです。特に注意が必要なのは、大腸刺激性下剤の長期服用です。

大腸刺激性下剤は、薬で腸を刺激し蠕動運動を活発にします。しかし、常に刺激をしていると大腸が刺激に慣れ麻痺してしまいます。そして、最終的には外部からの刺激がなければ活発な蠕動運動が起きない状態となり下剤に依存してしまいます。

下剤依存による重篤な副作用

下剤依存により毎日のように服用するようになると、重篤な副作用が起きる可能性が高くなります。

大腸メラノーシス


センナ、大黄、アロエなどの大腸刺激性下剤を長期服用すると大腸粘膜が黒く色素沈着します。これといった自覚症状がなく副作用とは気がつきづらいですのが、大腸の神経機能を低下させ、便秘がさらに悪化することがあります。

高マグネシウム血症


酸化マグネシウム製剤の長期服用や過剰摂取によりマグネシウムの血液中の濃度が高くなってしまう状態です。健常であれば問題ありませんが、高齢者など腎臓機能が低下している場合、注意が必要です。

高マグネシウム血症が進むと嘔吐や筋脱力、傾眠、徐脈、低血圧などがみられ、重症化すると意識混濁・消失や呼吸筋麻痺が生じ、心停止に至ることもあります。

下剤依存症にならないための注意点

本来、下剤は、根本的に便秘を改善するものではありません。下剤に頼りすぎることで自然な排便を遠ざけてしまい、より便秘を悪化させる可能性があることを踏まえて使用するようにしてください。

下剤は、便秘時のみの使用に留め、用法容量を守り使用することが大切です。

便秘解消のために心がけること


■栄養バランスの良い3度の食事

■食物繊維の十分な摂取

■水分を多く取り便を軟らかくする

■便意がある時は我慢しないでトイレに行く

■朝、トイレに行く習慣をつける

■適度な運動で腸の動きを活発にする

吉澤先生からのアドバイス

腸の健康が免疫力にも影響するとの報告もありますので先ずは、下剤に頼らず、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

(監修:薬剤師 吉澤 恵理)