西アフリカのガンビアは、今月に入って国際刑事裁判所(ICC)からの脱退を表明した3番目の国家になった。その前には、アフリカ中部ブルンジと南アフリカが相次いで離脱を発表したばかり。いったい何が起こっているのか。

 ガンビアのシェリフ・ボジャン情報相は25日、国営テレビで声明を発表し、ICCは「有色人種、特にアフリカ人を迫害し屈辱を与えるための国際『白人』裁判所だ」と非難した。

 アフリカ諸国の間で白人による司法への反発が高まる中、2012年にはガンビア出身のファトゥ・ベンスダがICCの主任検察官に抜擢された。それにも関らず、ガンビアの離脱は止められなかった。

白人のための裁判所

 ボジャンはICCが西側諸国による戦争犯罪を見逃したと批判した。オランダのハーグで2002年に設置されて以来、ICCが捜査を開始した10件のうち9件がアフリカ諸国に関するものだ。

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ブレア元首相も戦犯だ

 西側の出身者が不当に見逃された最たる例としてボジャンが名指ししたのが、イギリスのトニー・ブレア元首相だ。ICCはブレアが2003年にイラク侵攻を決断した法的責任について、2006年に訴追しない決定を下した。イギリスでは今年7月、独立調査委員会(チルコット委員会)がイラク戦争をめぐるブレア政権の判断の過ちを厳しく指摘する報告書を発表した。英政府が平和的な方策を尽くさないまま、サダム・フセイン独裁政権打倒を掲げて2003年に米軍主導の軍事行動に踏み切ったと糾弾した。だがICCは改めて、ブレアを訴追しない方針を確認したのだ。

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 ガンビアの発表は、先週金曜に南アフリカが国連に対してICCを脱退すると通告した矢先のことだった。南アフリカ政府は離脱の理由について、ICCの設立規定である国際条約「ローマ規定」に縛られると、アフリカ大陸の調停者としての役割を果たせないためだと主張した。例えば南アフリカは、2015年6月にICCの逮捕状が出ていたスーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル大統領が入国した際は、身柄を拘束すべきところ滞在と出国を許した。

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 10月上旬にはブルンジの国会が、ICCから脱退することを定めた法案を賛成多数で可決、ピエール・ヌクルンジザ大統領が18日に署名した。

 ガンビア出身のベンスダは今年4月、ブルンジにおける人権侵害の予備捜査に着手した。対象になったのは、ヌルンジザが大統領選への3選出馬を表明した2015年4月以降の状況だ。ベンスダによると、出馬に反対するデモ隊と政府を支持する武力勢力の間で衝突が続き、1年間で430人以上が殺害された。

コナー・ギャフィー