相次ぐ有名大学の東大と慶大の集団暴行

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「ミス慶応」を企画・運営する慶應義塾大学の公認学生団体『広告学研究会』(以下、広研)が、大学から解散命令を受けた。表向きの原因は「未成年飲酒」。しかしその裏では、広研メンバー数人による、慶応女子学生(19才)への集団暴行事件があった。

「集団」「酒盛り」「サークル」「乱交」──そして「高学歴」。そんなキーワードが登場するこの事件。わずか5か月前に起きた東大生らによる集団わいせつ事件とあまりに共通点が多い。またか…その驚きの中には、実はこうした事件は決して少なくないのではないかという疑念が入り混じる。

 これらの事件に早稲田大学の学生を中心に起こった2003年の「スーパーフリー事件」を思い出す人も多かっただろう。同サークルは早大生以外にも東大・慶大などの学生も所属。被害者の女子大生が被害届を提出したことで、スーフリの実態が表面化。合計14人の学生が準強姦罪で逮捕されることになった。

 この事件をきっかけに、翌2004年には集団強姦罪・集団強姦致死傷罪が新設されたが、大きな抑止力にはならなかった。2004年には国士舘大学、日本体育大学、亜細亜大学、2005年には京都大学、2009年には京都教育大学で同様の事件が起きている。さらに2014年には、深夜の歌舞伎町の通りに、パンツ丸出しの女子学生たちがゴロゴロ転がっている写真や動画がインターネット上に拡散した。その泥酔した女性の周りでは「イエーイ」とピースサインをするなどしてはしゃぐ男子学生もいたのだが、後にこの泥酔集団は明治大学と日本女子大学公認サークルの部員だと判明した。

 こんな状態になるまで泥酔したのは、男子学生が女子学生に「スピリタス」というアルコール濃度が非常に高いウォッカのカプセルをこっそり飲ませていたからではないかとの情報も。そして一部では、スーフリのレイプの手口は、もともと、明大のヤリサー(セックスを目的にしたサークルのこと)が手本だったとの報道もあった。

 慶応大学の事件を受けた今、当の学生たちはどんな思いでいるのか? 話を聞こうと三田キャンパスを訪れた。

「“危険だからかかわるな”とも言われてたし、実際メンバーは本当に慶大生? って思いたくなるような人たちの集まりだった。だからみんなが驚くほどには、慶大生は驚いてないよ」

「広研は黒い噂ばかり。ビーチで女の子ひっかけて、合宿所でやってるっていうのはよく聞いてた」

「ウケるよね。あの広研。これであいつらの人生終わりでしょ?」

 男子学生も女子学生も妙に冷めていて、どこか他人事――そんな印象を受けた。

 一方東大を訪れると、声をかけてもほとんどの学生がスルー。足を止めてくれたとしても事件の話を始めるや、さっと立ち去る学生ばかりだった。しかし真剣に話をしてくれた学生もいた。そのひとりが本田彰さん(仮名、3年生)。

「普段は“親の期待に応える”とか考えてなかったんですが、こういう事件を聞くと、親の顔が浮かびました。ぼくは地方出身で、親は共働きの公務員。決して貧乏とかではないけれど、それでも仕送りは親に相当の負担をかけています。だから改めて意味がある時間を少しでも多く過ごしたいと思いました。実際、そう思っている学生も多い。

 ですから“最近の若者は”とか“勉強ばかりしている東大生は”という枠でくくらないでほしい。“東大だから頭いいし、心身共に素晴らしい”ということはないんです。“東大なのに”“慶応なのに”と言うけど、それは大人がその大学の学生を神童と思っているからでしょう。東大だろうと、慶大だろうと、バカな奴はバカなんですよ」

 評論家の呉智英さんは「強姦事件は三流、四流の大学でも水面下にはたくさんあり、エリート校だけの問題ではない。一般的な若者の間で起きているというのが、全体像としてある」と言う。その背景として、大学進学率の増加を指摘する。

「大学進学率は、戦後1950年代までは、人口の約1割。だから特に地方では、大学に進学することだけでも立派なことでした。それが2005年以降、大学進学率は50%を超えたことから、全体として大学生の質やエリート意識、自尊心がなくなってきた。もちろんおれは東大だ、慶応だっていうのはあって、現にかなりの割合の人が高級官僚とか超名門企業のビジネスマンになるわけだから、エリート意識はありますが、エリート意識の強弱が違う。戦前の帝大では、各学部の成績優秀者には天皇からの褒章として銀時計が授与されていました。当時の天皇といえば、神様だったわけですから、その重みは学生側にもありました」

※女性セブン2016年11月10日号