安倍晋三首相とフィリピンのドゥテルテ大統領は26日に会談し、中国がほぼ全域の領有権を主張する南シナ海問題について、平和的解決に向けて協力することで一致した。同大統領は、国際仲裁裁判所の判断は拘束力があるとの認識を示し、「日本の側に立つ」と語った。

南シナ海、「いずれ語る」

 フィリピンは南シナ海のスカボロ―礁の領有権をめぐって中国と対立。国際仲裁裁判所が7月に中国の主張を退ける判断を下したが、ドゥテルテ大統領は日本に先立ち訪問した中国で、この問題を取り上げなかった。

 首相官邸で安倍首相と会談したドゥテルテ大統領は、「いずれ語らなければならない問題だが、いまそれを語るべきときではない」と説明。中国と領有権を争う日本とフィリピンの類似点を指摘し、「ときが来たときには日本の側に立つ。安心してほしい」と語った。

 これに対し安倍首相は、「日本の立場に常に寄り添うことを明言したことに感謝する」と発言。両首脳は「法の支配」の重要性を確認するとともに、南シナ海問題を国連海洋条約などにもとづいて平和的に解決することで一致した。

対米関係も意見交わす

 安倍首相とドゥテルテ大統領は、ぎくしゃくしている米比関係についても意見を交わした。安倍首相は米国との同盟の重要性を説明し、ドゥテルテ大統領は「米国との外交関係を断ち切るわけではない」などと回答した。

 自身が始めた麻薬犯罪取り締まりを米国から批判されている同大統領は、米オバマ政権をたびたび非難。26日午後に都内で講演した際も、「おそらく2年以内に外国の軍隊はフィリピンからいなくなる」と述べ、米国との軍事同盟解消を示唆していた。