ネットフリックス、800億円起債でコンテンツ強化 一話10億円作品も 

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ネットフリックスは10月24日、オリジナルコンテンツの拡充を目的に8億ドル(約835億円)の社債を起債したことを明らかにした。同社はオリジナルコンテンツの比率を50%に高め、2017年には1,000時間分の新コンテンツを配信する目標を掲げている。

ネットフリックスは個別の配信実績を公表していないため、オリジナルコンテンツが業績にどれだけ寄与しているのかは不明だ。しかし、同社の好調な業績を見る限り、コンテンツの自前化がうまく機能しているように見える。ネットフリックスが先週公表した3Q業績によると、契約者の純増数は当初予想よりも100万人以上多い357万人で、1株利益は12セントとアナリスト予想の2倍以上だった。

マーベルとの共同制作である「ルーク・ケイジ」や「ストレンジャー・シングス(Stranger Things)」、「ナルコス(Narcos)」などのヒットが成長を支え、ネットフリックスは投資家向け書簡の中で「オリジナルコンテンツが業績を牽引した」と述べている。

一話10億円のオリジナル作品も

ネットフリックスは今月初めにコメディアンのクリス・ロックとスタンダップコメディの特番2本を配信する契約を史上最高額の4,000万ドルで結んだ。また、この夏に配信を開始した新ドラマ「ゲットダウン(The Get Down)」は、1話当たりの制作費が1,000万ドル(約10.4億円)とも言われている。

「オリジナルコンテンツは非常にうまくいっている。今後は、グローバル市場向けのオリジナルコンテンツの制作が極めて重要だ」とJPモルガンのダグ・アムナスは話す。

ネットフリックスは米国外の契約者数が急増しており、3Qの純増数は320万人だったが、米国内の契約者数は37万人しか増えていない。こうした背景から、今後はコロンビアの麻薬戦争をテーマにした「ナルコス」のように、米国外を舞台にしたコンテンツの拡充が重要な取組みとなる。

来月配信が開始される「ザ・クラウン(The Crown)」は、英国女王エリザベス2世を描いたドラマで、5月に配信を開始した政治ドラマ「マルセイユ(Marseille)」は、ネットフリックスとしては初のフランス語シリーズだ。

「インターネットによって世界中のユーザーにリーチすることが可能になった。今や会員数は8,600万人を突破し、コンテンツに対するニーズが多様化している」とネットフリックスは書簡の中で述べている。

今後は、ネットフリックスによる映画の制作本数も増えそうだ。同社が2015年に制作した映画は3作(「ビースト・オブ・ノー・ネーション」、「ビル・マーレイ・クリスマス」、「リディキュラス・シックス」)だったが、今年中に10作に増える予定だ。この中には、今月初めに公開の注目作「ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-(The Siege of Jadotville)」も含まれる。

映画化の権利は高額なため、オリジナル映画の制作はコストの節約にもなる。ネットフリックスは、ディズニー映画の独占配信に3億ドルを支払ったとされる。「オリジナルコンテンツを作ればそうしたコストは不要になる」とネットフリックスのコンテンツ責任者のテッド・サランドスは投資家向け収支報告の中で述べている。

今回調達した資金は、コンテンツの獲得や戦略的投資にも使われると見られる。ネットフリックスの長期借入金残高は9月30日時点で23.7億ドルだったが、今回の社債発行により30億ドル(3,130億円)を超えることになる。

それでもデット・エクイティ・レシオは0.939で、利益も継続して出していることから、アナリストの多くはネットフリックス株式を「買い推奨」としている。ゴールドマン・サックスは先週発表したレポートの中で、「契約者数や売上高、利益の成長が加速することが予測される」と述べている。