フランクフルトショーと並んで、欧州で重要なモーターショーされるパリ・サロン。今年のパリでは電気自動車に熱心なお国柄もあって、当然その展示内容も電気駆動中心となっています。ですが、よーく見るとフランス勢とドイツ勢にそれぞれの意図が見えてきます。華やかな舞台の真の意味を、あるいは裏側を考えてみました。

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フランス勢といってもPSAとルノー日産では、電動化への取り組みは異なります。やはりルノー日産はEVの実用化に積極的で、PSAの対応はそれに比べるとひとあし遅れているように見えます。ルノーの発表したコンセプトカーのトレゾールは、スタイリッシュな電動GTでこれからのルノーの新しいデザイン言語を提示しました。フロントフードからルーフまでが一体となって開くジュエリーボックスのごときボディ構造と、フロントフード上のハニカム状エアインテークに目を奪われますが、全体的なプロポーションや雪平鍋のようなボディパネルの面処理が新しいルノーの方向性を感じさせます。

一方のドイツ勢、メルセデスが選んだキーワードはCASE。Cはコネクテッド、Aはオートノマス、Sはシェアリング、Eはエレクトリックの頭文字で、これら4つの要素が「自動車産業の未来を変革させる」と定義し、それを具現したコンセプトカーとしてジェネレーションEQを発表したのです。さらにフォルクスワーゲンも“ビジョナリーI.D.”を発表しました。EV専用プラットフォームをベースに構築され、電動化、コネクテッド、自動運転を含んでいます。もはや単なる電気駆動というだけでは、何のビジョンも感じられなくなっているのかもしれません。次回のパリではAIとビッグデータとの連動かな……? と思いを巡らせました。

(GENROQ 吉岡卓朗)

【関連リンク】
GENROQ 2016年12月号ではパリ・サロンの詳細をレポートしていますので、ぜひご覧ください。
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=8661

パリ・サロンで見えた「フランス流」「ドイツ流」それぞれの電動駆動の裏側とは?(http://clicccar.com/2016/10/26/411731/)