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日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は10月26日、同社の「LabVIEW」を中心としたNIプラットフォームベースアプローチを活用した、最新システムや業界動向などを紹介するイベント「NIDays 2016」を開催。併せてプレス向け説明会を開催し、同社のIoTに向けた取り組みとして、他社との連携によるソリューション活用の紹介などを行った。

IoTを俯瞰すると、現場でデータの収集などを行う「OT(Operations Technology)」とそうして生み出されたデータをゲートウェイで吸い上げ、クラウドを介し、ビッグデータとして解析を行い、新たな知見へと変換させる「IT」の2つを組み合わせて実現される。

とはいえ、そうしたビッグデータは末端の機械から生み出されるが、アナリティクスを行うIT企業は、そうした機器の計測方法などは良く分かっていない、というのが現状である。そこでNI(National Instruments)とHewlett Packard Enterprise(HPE)は2016年6月にBig Analog Data向けソリューションの利用促進を目的に提携。従来はデータセンターで行ってきた分析と制御の処理を製造現場などのエッジで行うことを目指した「Converged IoT Systems」の第2世代品となる「Edgeline EL4000/EL1000」に、PXIeスロットを搭載することで、NIの計測ソリューションと制御、そして生み出されるデータの制御を可能とした。

すでに、海外の事例だが、ポンプメーカーが活用しており、予防保全などの付加価値と共にメンテナンス効率の向上を果たしたという。ちなみに、この事例では、PTCのIoTプラットフォーム「ThingWorx」も活用しているとのことで、「業界を超えた協力体制がIIoT実現の鍵となりつつある」と日本NIでは、さまざまな企業との連携が重要であることを強調する。

こうした取り組みは日本でもすでに進められており、錢高組が山岳トンネル工事の現場の課題である「作業員の安全の確保に向けた行動履歴把握」と「工事で消費される電力量の削減」の実現に向けて、NIのCompactRIOとHPEのサーバ技術を組み合わせることで、最終的には電力の20%削減と、誰が坑内のどこにいるのか、という位置把握による安全性向上を実現したという。

具体的には、錢高組とイー・アイ・ソルが共同で安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」を開発。制御端末にCompactRIOを用い、必要な機能をLabVIEWを用いて開発。端末の機能として、入坑者や工事車両の検知用のRFIDリーダ、粉塵や可燃性ガスなどの濃度測定のための濃度計、工事用の照明/換気ファン/トンネル掘削機械の稼働状況を監視するための電力計などを持たせ、これを制御の対象となる電気機器や分電盤に取り付け、事務所などに設置したサーバと接続する形で実現した。同システムの設計・実装は2カ月ほどで完了し、テストと修正についても約1カ月と、合計3カ月ほどで開発を終えることができた、とする。なお、日本NIでは、「今後、どのように機能拡張などが図られるかは、IoTの進化によるところにもよるが、今回の協業の成果を活用していくことで、錢高組は今後の山岳トンネル工事にも、同システムの柔軟なカスタマイズ性を活用していくことで、適用を図っていけるようになった」と説明している。

(小林行雄)