中国「八達嶺野生動物園」でトラが一家を襲った7月の事故(出典:https://www.youtube.com)

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今年7月、中国・北京市の「八達嶺野生動物園(Badaling Wildlife Park)」で起きたトラによる死傷事件。被害者遺族は園を相手に損害賠償を求める訴えを起こしていたが、園は納得していない。なぜ“猛獣を放し飼いにしている”と謳われているサファリパークで被害者は車から降りてしまったのか、そこが争点になっていたが…。

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北京市のサファリパークとして人気の「八達嶺野生動物園」で今年7月23日、車の助手席から降りて運転席側に立った32歳の女性がアムールトラに襲われ、それを救おうとした57歳の母親が噛み殺されるという事件が発生。女性とその夫とみられる男性は重傷を負った。一行はZhaoさんというファミリーで、女性が車から降りたのは車内で続いていた口論が原因と報じられていた。

『Beijing Times』が伝えているところによれば、遺族はその後、園を相手に200万元(約3,080万円)の損害賠償を求める裁判を起こしていたもよう。争点のひとつは、彼らが入園時に署名して提出していた同意書であった。書類には「車のドアをしっかり閉じ、ロックする。エサを与えること、車から降りることは厳禁」と注意事項が示されていたが、一家は入園許可のための登録用紙だと勘違いし、ロクに読まずに氏名を記入していたという。

「園はそのあたりをもう少し踏み込んで説明するべきだった。確かに車を降りたこちらにも落ち度はあるが、緊急車両の出動があまりにも遅く、母が死亡したことについて園は70%の責任を負うべきだ」と遺族は主張。車内での口論が女性が車から降りた原因という当初の報道についても、「まったくの嘘である」と否定していた。

これについては、8月の調査で園の至る所に各種の危険行為についての警告板が掲げられていたことが判明した。いったんは120万元(約1,850万円)の賠償金を支払うことで合意していた園も、現在は「75万4千元(約1,160万円)までしか支払わない」と強気の姿勢に転じている。その理由は観光客、入園者のモラル、マナーが劣悪であること。注意事項に耳を傾けず、警告板の内容を無視、軽視した行いがこれまでも多々見受けられたというのだ。

実はこの話題、31万人を超える中国のネチズンの間でも炎上していた。「中国政府・園はこの女性の愚行の責任を負うべきか」と問うウェブアンケート調査では、「はい」と答えた者はわずか2.3%であったという。最後に、YouTubeに“Tigers Kill One Tourist, Injure Another at Beijing Wildlife Park”として今年7月に投稿された動画を改めてご紹介したい。

出典:https://www.youtube.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)