高樹沙耶(本名・益戸育江)容疑者の逮捕は多方面に波紋を広げている。写真は高樹容疑者が出馬した参院選ポスター(2016年7月撮影)

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元女優の高樹沙耶(本名・益戸育江)容疑者(53)が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された事件は、早くもテレビ番組に影響を与えている。

再放送予定だった過去の人気ドラマが急きょ差し替えになったほか、すでにDVD化されたものについても対応を迫られる可能性がある。高樹容疑者は、女優以外に作詞家としても活躍。人気番組「はじめてのおつかい」でも高樹容疑者の楽曲が使用されており、今後の対応が注目される。

小料理店の女将「宮部たまき」で数多く出演

高樹容疑者は17歳でモデルとして芸能活動を始め、1983年に映画デビュー。この時の役名「高樹沙耶」を芸名にして芸能界で活動を続けてきたが、08年に本名の「益戸育江」で活動することを宣言。その後は「ナチュラリスト」を名乗って宮古島に移住し芸能界も引退していたが、16年夏の参院選には再び「高樹沙耶」の名前で新党改革から出馬していた。

高樹容疑者は大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕され、各種報道によると、「私のものではない」などと容疑を否認しているという。

テレビ番組への影響は、逮捕当日の16年10月25日に早速出た。テレビ朝日が平日夕方に設定しているドラマ再放送枠「相棒セレクション」で、高樹容疑者が出演していた「相棒シーズン7」第13話を、出演していない「シーズン14」第12話に急きょ差し替えた。

「相棒」は02年に連続ドラマとして放送が始まった刑事ドラマの人気シリーズで、高樹容疑者は小料理店の初代女将「宮部たまき」を演じた。出演回数は02年放送開始の「シーズン1」から11年10月開始「シーズン10」初回放送までの膨大な数にのぼる。今後、再放送や発売済みのDVDの対応に苦慮しそうだ。

作詞した挿入歌「しょげないでよBaby」

それ以外に影響が懸念されるのが、日本テレビが1991年から不定期に放送しているバラエティ番組「はじめてのおつかい」。この番組で長年にわたって流れている楽曲のひとつを、高樹容疑者が作詞していた。

この楽曲は、1991年発売のB.B.クィーンズのシングル曲「ドレミファだいじょーぶ」にカップリング曲として収録された「しょげないでよBaby」。「ドレミファだいじょーぶ」が同番組の主題歌で、「しょげないでよBaby」が挿入歌という位置付けだ。「しょげないでよBaby」は織田哲郎さんが作曲し、高樹容疑者が作詞していた。シリーズで最後に放送されたのは16年7月の「夏の大冒険スペシャル」。次回シリーズでの対応が注目される。

過去に薬物事案で作詞家が逮捕された事案としては、09年4月に作詞家の男(当時33)が覚せい剤取締法違反で逮捕された事案がある。歌手の水樹奈々さん(36)が発売を控えていたアルバムにこの男が担当した楽曲が含まれていたため、当初の発売予定を延期し、男の楽曲を削除した上で発売したという経緯がある。