ミレニアル世代のコストコ、Boxedを創った男35歳にロングインタビュー

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「Boxed」のCEO、チー・フアンは台湾移民の二世として、ニュージャージー州で貧しい幼少時代を過ごした。週末には両親と倉庫型ディスカウントストアの「Price Club」に行っては、日用品を大量に購入したという。ファンは自身の体験から、ミレニアル世代が郊外まで行かなくても、モバイルで日用品を大量購入できるサービスを思い付き、2013年に友人数人とBoxedを創業した。

Boxedの売りは会員費が無料で、家庭用洗剤やひげ剃り、クラッカー等の日用雑貨をモバイルから注文可能な点。ファミリーサイズ向けの大量購入により、他のストアが実現できない低価格を実現し、全米のほとんどの州に二日以内の配達を行なっている。

現在35歳のファンは、かつてゲーム会社「Astro Ape」を仲間たちと創業し、ジンガに売却。ニューヨークに本拠を置くBoxedのCEOとして、同社の驚異的な成長をリードしている。同社はこれまでにDST GlobalやGGV Capitalなどから総額1億3,300万ドル(約138億円)を調達した。2年前の売上高は800万ドルに過ぎなかったが、今年は1億ドルを突破する見込みで、フォーブスはBoxedを「次世代のスタートアップ企業」25社リストに選出した。

――Boxedを創業するまでの経緯を聞かせて下さい。
私は2013年後半にジンガを辞め、ニュージャージー州にある私の自宅のガレージを拠点に仲間とビジネスの立ち上げ準備を始めました。2014年に全米向けにサービスを開始しましたが、その頃には私のガレージの前に40フィートのコンテナが置かれ、私道には業務用パレットが山積みされていたので、隣人たちからは奇異の目で見られていました。

――立ち上げ当初のコンセプトは。
私は昔郊外に住んでいたので、よくPrice Clubに行って大量に安い日用品を買い込んでいました。その後、都市に引っ越して車を手放したので、価格の高い店舗で買い物をするしか選択肢がなくなってしまいました。こうした私自身が直面した問題を解決したいと思ってサービスを立ち上げました。

――最初に売れた商品は何でしたか。
洗濯用洗剤で、ニューヨークのクイーンズに出荷しました。その時は皆で大騒ぎしました。その後、数日をかけてオペレーションの改善を図り、この3年間は本当に目まぐるしい成長を遂げました。現在では4か所の倉庫からアメリカの48州に向けて商品を出荷しています。

我々はコストコから客を奪っている訳ではなく、車を持っていない層だけが顧客という訳でもありません。Boxedの認知度は高まってユーザー数も増えていますが、我々のビジネスの中で最も割合が大きく、最も成長が早い分野はB2Bです。フォーブスのオフィスでも、コーヒーやスナックを全てアマゾンから注文している訳ではないでしょう。

――当時はまだコストコはウェブサイトを運営していなかったのですか。
サイトはありましたが、店舗で販売している商品はほとんど掲載されていませんでした。店舗と同じ品ぞろえをオンラインでも実現するのは不可能に近いのです。

――フアンさんの経歴について教えて下さい。
私はとても貧しい家庭に育ちました。幼少期はオハイオ州のコロンバスとメリーランド州のボルチモアで過ごしましたが、父親は職がなく、フリーマーケットで雑貨を売り、母親は中華料理屋でレジ打ちをして生計を立てていました。両親ともに台湾出身ですが、私と妹の将来のために母国での職を捨てて米国に移住したのです。

――それは大変でしたね。
我々は引っ越しを繰り返し、ニュージャージー州に落ち着きました。ボルチモア時代に母親はジョンズ・ホプキンス大学の近くにある中華料理屋で働いていたのですが、「子供たちを何としてでもジョンズ・ホプキンス大学に進学させたい」とよく話していました。私は幸運にもジョンズ・ホプキンス大学に入学することができ、2003年に卒業しました。その後、政府のプログラムで日本へ行き、地方で英語を教えましたが、人生を無駄に過ごしていると感じて米国に戻ってロースクールに入学し、卒業後に企業弁護士の職を得ました。