韓国と『君の名は。』の意外な因縁、「新海誠監督の次回作は無条件で私たちに…」

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釜山国際映画祭で絶賛され、韓国でも高い人気と注目を集めている映画『君の名は。』。10月25日に開催された「第18回富川(プチョン)国際アニメーション映画祭」でも、長編コンペティション部門で「優秀賞」と「観客賞」を受賞し、“2冠”を達成している。

そんな『君の名は。』が韓国で一般公開されるのは、来年2017年の1月。

「遅すぎる」「それでも見なければならない」「日本ではDVDも出ているのは?」などと韓国映画ファンの嘆きも聞こえるが、輸入会社であるメディア・キャッスルは2017年1月12日、あるいは19日を公開日にしたいと考えているようだ。

韓国と『君の名は。』の意外な因縁

同社のカン・サンウク理事は韓国メディアに、『君の名は。』との深い因縁について次のように述べている。

なんでもカン理事らは、『君の名は。』の制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムとは4年も前から交渉していたという。

カン理事は、『星を追う子ども』(2011年)の輸入競争で初めて新海誠監督に会い、同作品が70%ほど完成した段階で観賞したと話す。が、「これは違う」と感じたらしい。実際に『星を追う子ども』と次の作品である『言の葉の庭』(2013年)は、他の輸入会社が担うことになっている。

それでも「コミックス・ウェーブ・フィルムに会うたびに新海誠監督の新作について話していました」というカン理事は、コミックス・ウェーブ・フィルムに“拒否できない提案”をしたそうだ。

「新海誠監督の次回作は無条件で私たちにください。新海監督にきちんとしたスタッフと投資が入れば、立派な作品ができる。版権料を安くしてくれなどとは一切言わないから、ありのままに条件を話して、私たちにください。そう言いました」

この提案をしたのは2015年中頃。

まだ『君の名は。』が世の中に知られる前であり、『星を追う子ども』のときのようにある程度作品が完成していたわけでもなかった。

コミックス・ウェーブ・フィルムから得ていた情報は、日本の東宝、ローソン、JR、角川などが制作に参与し、制作費は4億円ほどということと、ファンタジーではなく現実世界を舞台にした人間関係を描く作品ということだけだったらしい。

「それだけ聞いて、価格を提示しました。2015年11月頃だったと思います。他の輸入会社の提案も聞いてみるから待ってくれと言われて、今年3月に連絡が来たのです」

ちなみに、『君の名は。』の世界配給の窓口は東宝だが、韓国に限ってはコミックス・ウェーブ・フィルムが直接配給するという。

メディア・キャッスルによって韓国に輸入された『君の名は。』は、同国内では“三大映画館”のひとつと呼ばれるMEGABOXの配給会社MEGABOXプラスエンによって配給される。日本のアニメーション作品に対する理解度も高いそうだ。

現在、300スクリーン以上で公開できるように調整されているという『君の名は。』。韓国でもヒット間違いなしとされるが、期待が大きいだけに目安となるのは『ハウルの動く城』が記録した観客動員数300万人ではないだろうか。

『君の名は。』がその偉大な記録にどこまで近づくことができるか、注目したい。

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(文=S-KOREA編集部)