高配当で長期保有に向いている銘柄の探し方とは? 最低投資金額「5万円以下」で、配当利回り4%以上、 しかも増益予想の長期保有向きの3銘柄を紹介!
2016年9月末時点で、最低投資金額が5万円台以下で投資ができて、配当利回りが3%以上ある銘柄はなんと170銘柄以上もある。しかし、その中で今後も長期的に安定した高い配当利回りを維持できる銘柄はごくわずか。
では、安心して長期保有できる高配当銘柄はどうやって探せばいいのか。3人の株のプロたちに「長期的に高配当が得られる銘柄」の見つけ方や買い方、さらには具体的なおすすめ銘柄を挙げてもらった!
利益を配当に回せる余地がまだまだ大きく、
利益自体の伸びも見込める5万円以下で買える銘柄を狙え!
2016年9月末現在、配当利回りが3%以上で、5万円以下で投資できる「5万円株」は170銘柄以上もあるが、それらの銘柄の中身は玉石混交。その中から、長期的に高配当を維持できる優良銘柄を選ぶ方法を紹介しよう。
まずは、現在の配当水準を維持できるかを見極めるために、利益の伸びをチェックする必要がある。
「配当の主な原資は企業の利益。本業で稼いだ利益である営業利益が着実に伸びているかを確認しましょう」(ケイ・アセット・平野憲一さん)
加えて、すでに利益の大半を配当に回している配当性向が高い銘柄は除外すべきだ。
「現時点で配当性向が100%の場合、利益減=減配となる可能性が高い。しかし、配当性向が低ければ、大幅な減益とならない限り配当を維持できる余裕があると言えます。配当性向が50%以下の銘柄を選ぶべきです」(平野さん)
また、どんなにいい銘柄でも、政策などによって業績や株価が大きく動く可能性がある場合は、配当利回り狙いで投資するのは見送ったほうがいい。
「銀行株は高配当銘柄の代表格のひとつ。しかし、日銀のマイナス金利導入で、業績悪化が懸念され、今後も値動きが激しい展開が続くでしょう。日銀の金融政策次第では、株価の急落もあり得ます」(マーケットコメンテーター・岡村友哉さん)
その他にも、資源価格の影響を受ける商社株は、配当利回りが高いとはいえ、値動きが激しく、1日で利回り以上に株価が動くこともあるので長期保有向きとは言えない。
さらに、企業そのものに問題がなくても、経済状況次第で、減配となったり、株価が大きく売られる場合もある。その影響を減らすには銘柄を分散させる必要もあるだろう。
「1銘柄だけ買わずに、さまざまな業種の銘柄を複数買って、リスクを抑えることも重要です」(証券ジャパン・大谷正之さん)
今回紹介する3銘柄は、不動産のアーバンネットコーポレーション(3242)、繊維専門商社の三共生興(8018)、印刷の共立印刷(7838)と、さまざまな業種の銘柄が揃っている。すべて配当利回りが4%超と非常に高いうえに、政策変更などによって株価が大きく下がるリスクも小さく、長期で保有するのに向いている銘柄だ。
(※銘柄に対するコメントはIMSアセットマネジメント清水秀和さん、マーケットコメンテーター岡村友哉さん、クォンツ・リサーチ西村公佑さん)
「世界経済の停滞や円高の影響などで、企業利益の見通しにはまだまだ不透明感があります。こういうときは予想PERが1ケタで、PBRが1倍割れの超割安な銘柄でも売られることがある。しかし、高配当銘柄の株価が下がると、高利回り狙いの買いで、全体相場が急落するような局面でも下値が支えられる可能性が高いため安心です」(大谷さん)
配当利回りが高い銘柄に長期保有をするなら、今の配当利回りだけを見ていてはダメ。配当性向が低くても一定の配当利回りがあり、増益を達成できる銘柄を探し、それらに分散投資するのがおすすめなのだ。