北朝鮮の国営航空「高麗航空」が保有する航空機のうち1機が、運航頻度を大幅に減らしていることが明らかになった。

民間航空機の運航情報を記録するサイト「プレーンファインダー」によると、この航空機は、同社が保有するツポレフ204-300型機(機体番号:P-632)だ。

同機は、9月まで頻繁に運航されていた。9月17日にJS156便(瀋陽→平壌)として運航され、22日のJS158便(上海→平壌)までしばらく間が空くものの、それ以降はほぼ毎日運航され、同サイトに記録が残っている9月中旬から下旬まで14便が運航されている。

しかし10月に入ってからは、運航されたのはわずか6回だった。

最後に運航されたのは今月19日のJS156便(瀋陽→平壌)。同型の別の機体(機体番号:P-633)が10月に入ってからもほぼ毎日運航されているのと比べると対照的だ。

運航頻度が低下しているP-632は、今年7月22日に平壌から北京に向かう途中に機内で火災を起こし、瀋陽空港に緊急着陸する事故を起こしている。同機は1週間後に復帰したが、8月11日から再び運航を中断した。中国民航局の指示に従ったものと思われる。指摘された箇所を改善した上で、8月22日から運航を再開した。

P-632の運行頻度低下と軌を一にして、同社の一部便が減便されている。

民間航空機の飛行情報をリアルタイムで表示するサイト「フライトレーダー24」によると、平壌とウラジオストクを結ぶJS271便と272便は毎週月、金に運航するスケジュールとなっているが、10月に入ってからは金曜日だけの運航となっていた。月曜日の運航が復活したのは今月24日からだ。

ウラジオストク線の減便は、事故を起こした機体が、何らかの理由で高頻度の運航に耐えられない状況になっていることを示唆している。

同機は1993年製の老朽機であるため、頻繁なメンテナンスが必要となるが、経済制裁や外貨不足に部品などの輸入に影響が出て、十分なメンテナンスができていない可能性もある。さらに中国民航局は、高麗航空の機体メンテナンスに問題があることを指摘している。

高麗航空の機体は、老朽化が激しくツポレフ204-300型機を除いては、EUから飛行禁止措置が取られている。また中国当局も同様の措置を取っている。現有の機体はわずか4機でいずれも老朽機であることを考えると、さらなる減便が避けられないと見られていたが、それが現実化しつつある。

高麗航空は、最重要路線で週5便運航している平壌北京路線を、11月からの冬ダイヤで週3便に減便すると、韓国のYTNが中国の航空業界の関係者の証言を引用して報じている。

別の情報筋は「冬は観光客が少ないから」「制裁の影響」とその理由を語っているが、機体の問題については言及していない。新たな航空機を購入する状況にない高麗航空には、全便運行停止に追い込まれる可能性が浮上しつつある。