これまでさんざん、連続達成に必要なことをお伝えしてきました。「個ではなく、和を重んじる」なかで、その個が全員主役を担うチームになっていなくてはなりません。そこで、重版も決まった新刊『トヨタの伝説のディーラーが教える絶対に目標達成するリーダーの仕事』から、とても重要な2つの要素を紹介いたします。

謙虚ではいけない

「自分が主役でありたい」というのは誰もが思っていることではないでしょうか。

 なかには「自分は脇役でいい」「目立ちたくない」という謙虚な性格の人もいるかもしれませんが、そういう人だって自分に任された仕事においては、主役として仕事をしているはずです。

 もし本当に、「オレなんていてもいなくてもいい、しょせん脇役なんだ」と考えている人をつくってしまったら、それはチームリーダーとして大問題です。

 そんな人を放っておけば、目標達成が難しくなるばかりか、やる気ある人たちの足まで引っ張られてしまうことになります。

 チームとして目標達成を成し遂げるには、一人ひとりに主役として力を発揮してもらうことが絶対に必要です。

 謙虚な姿勢もいいのですが、チームのメンバーには、「このプロジェクトはオレがいないと成り立たないんだ」くらいの気概を持ってもらいたいところです。

「君こそヒーロー」大作戦!

 チームの全員に「自分が主役だ」と感じてもらうために、リーダーがするべきことにはいくつかあります。

 一つは、役割を与えることです。

 スタッフの職責や経験、スキルに応じて、それに合った役割を与えて、責任を持って実行させる。それだけでも本人に、「自分はこのチームに貢献している」「自分は必要とされているんだ」と自覚してもらうことができます。

 もう一つ、私が実際にやっていたことですが、1ヵ月ごとに何らかの成績に応じてランクを付けて発表することです。

 私の場合は営業でしたから、営業成績に応じて相撲の番付を真似たランキングを毎月発表していました。

 上から横綱、大関、関脇、前頭、十両、幕下、ふんどし担ぎまで。成果によってランク付けしていました。

 私が連続達成を成し遂げたときのチームは、若手社員でも急速に力を付けていましたから、単月の成績ではベテランをしのぐこともよくありました。だから、新入社員が横綱になることもありました。

 普段は若手扱いされている人でも、横綱になれば「今月の主役は自分だ」と自尊心を持つことができますよね。

 組織のなかでの位置づけを把握してもらい、自信をもってもらうのに、ランク付けは効果があるのです。

 成績次第なので、ベテランがふんどし担ぎになってしまうこともありました。ベテランにとってふんどし担ぎになるなんて絶対に避けたいことですから、必死になって営業活動をするようになります。なかには、「オレは絶対に大関以下にはならない」と宣言しているベテラン社員までいました。

 ランク付けはベテラン社員のプライドをくすぐる効果もあるわけです。

 さらに、大切なのは言葉にすること。

「君がこのチームの中心人物なんだ」

「君がいなければこのプロジェクトは成り立たない」

 リーダーの期待を言葉にして投げかけてあげるだけで、スタッフにとって自信につながります。

 特に注意して言葉をかけてほしいのは、新人、2〜3年目などの低年次のスタッフと、成績の悪い高年次のスタッフです。

 高年次のスタッフでも成績の悪い人は自信を失いかけているので、自信を取り戻してチームに貢献してもらわなければならないからです。

 1人の主役だけが大活躍するチームでは、何回か目標達成ができたとしても、連続はしません。連続達成を成し遂げるには、チーム全員が主役となって活躍してもらう必要があります。