第29回東京国際映画祭コンペティション
部門の審査員が会見

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 第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で審査員を務めるジャン=ジャック・ベネックス監督、平山秀幸監督、俳優のバレリオ・マスタンドレア、プロデューサーのニコール・ロックリン、メイベル・チャン監督が10月25日、東京・六本木で会見した。

 フランスでロングランヒットを記録した「ディーバ」を携え1980年に初来日して以来、20回以上の来日経験をもつというベネックス監督は、日本語で「オタクです」と自己紹介するほどの親日家。富士登山に3度挑戦し、そのうち1度は登頂を果たしたそうで、中国のチャン監督は「私も挑戦してみたい」と興味津々だったが、イタリアの名優マスタンドレアは「写真で眺めるだけで十分」、平山監督は「昨年ヒマラヤに行ったばかりなので遠慮しておきます」と言いながらも、すでに打ち解けた様子。一方、ハリウッドで活動するロックリンは今年4月に来日したばかりだが、「日本のおもてなしや優しさ、平和に触れてほしい」と2歳になる息子を連れてきたことをにこやかに明かした。

 04年に「レディ・ジョーカー」が出品されて以来の同映画祭参加となった、“日本代表”の平山監督は「審査員というど真ん中(の立場)で参加できることをうれしく思っています」と語り、「社会的責任と映画の表現の自由が争っているような、刺激的な作品がみたい」と期待を寄せた。ベネックス監督は、「映画は万国共通の財産」であり、「偏見を持たず、まっさらな気持ちで、大きく目を見開いて」審査に臨みたいと告白。「ユニークで、非常に斬新で、映画のルールを変えてしまうような作品や、演出がすばらしく、常識を覆すようなメッセージを含んだ作品」が映画文化に貢献していると持論を展開した。

 トルコ人記者から常識をくつがえすようなメッセージを伝える映画が昨今すくない理由を質問されたベネックス監督は、「自由な国でさえ、自分の言いたいことを映画で語るのは大変だが、そうした映画をつくることで投獄されたり、殺されたりしてしまう国もある」と指摘。「フィルムメーカーは表現の自由のために戦う戦士。自分の意見を語り、学び、教え、そしてコミュニケ―ションするのが映画人だ」と熱弁すると、「スポットライト 世紀のスクープ」のプロデューサーであるロックリンや、マスタンドレアが賛同の声を挙げていた。

 コンペティション部門の出品作は、日本の「アズミ・ハルコは行方不明」(松居大悟監督)と「雪女」(杉野希妃監督)を含む16作品。最高賞となる「東京グランプリ」をはじめとした審査結果は、11月3日のクロージングセレモニーで発表される。