日本レコード協会がまとめた「日本のレコード産業2016」によると、2015年の音楽CD生産数は約1億6783万枚で、金額ベースでは約1801億円に達した。有料音楽配信は前年比108%増と著しい伸びを示したが、金額ベースでは471億円だった。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本レコード協会がまとめた「日本のレコード産業2016」によると、2015年の音楽CD生産数は約1億6783万枚で、金額ベースでは約1801億円に達した。有料音楽配信は前年比108%増と著しい伸びを示したが、金額ベースでは471億円だった。

 CD離れが進んでいると言われながらも、音楽ソフトの売上に占めるCDの割合は今なお大きいことがわかるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本人はなぜ、いまだにCDで音楽を聴いているのか」と疑問を投げかけた。

 記事は、音楽ソフトの売上に占めるCDとレコードの割合において、日本は世界平均の約2倍も高いと紹介。今でも日本ではCDがよく売れている理由について、日本では早くから「極めて独特な音楽市場」が生まれ、そして日本人も「変化を好まない性格」ゆえにCD市場が今なお存在するのだと分析した。

 そのうえで、CDが好まれる日本の「極めて独特な音楽市場」とは「CDレンタル」だと紹介。音楽CDのレンタルショップにおける実需のほか、日本人消費者はレンタルを利用することで「実物の音楽CDを欲しい」と思うようになると主張し、レンタルをきっかけにCDの購買につながるケースも多いと論じた。外国人からすると「不思議なシステム」ではあるが、CDを愛する日本では好ましいシステムとして受け入れられていると紹介した。

 また、「シングル市場がいまだに強い」というのも日本特有の傾向だという。これは、音楽そのものを聞きたいというよりも、アイドル応援の一環としてファンが購入するケースが多いためで、ファンの年齢層が高いと購買能力もさらに高まる傾向にあるとした。

 日本の音楽業界の今後について、記事は「日本でも遅かれ早かれ、若年層を中心にインターネットを通じたダウンロードやストリーミングに移行するだろう」と推測。だが、CD市場や携帯電話市場の独特さから「日本市場だけが『わが道を行く』という形になることもあり得る」と論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)