モーニングスター <4765> が10月25日に発表した17年3月期第2四半期決算は、売上高23億47百万円(前年同期比0.4%増収)、経常利益8億21百万円(同7.8%増益)の増収増益決算だった。営業利益、経常利益は7期連続の増益で、5期連続の最高益更新になった。同日に決算説明会を開催し、代表取締役社長の朝倉智也氏は、「金融庁が推し進める『貯蓄から資産形成へ』の政策は、長期・分散・積立の投信市場育成を本格的に動かすきっかけになる。当社の金融機関向けトータルサービスは、金融庁のフィデューシャリー・デューティーの徹底をサポートするものであり、事業機会は一段と拡大する」と語り、時代が追い風になっているとの見方を示した。

 当該期間(16年4月〜9月)の国内公募投信の設定額は、15兆円と前年同月比37.9%減、国内株式の売買代金も同17.1%減と、資産運用マーケットは減速している。このため、株式新聞の購読料(前年同期比10.4%減)や連結子会社のSBIアセットマネジメントの運用受託報酬(同8.5%減)などは売り上げが落ちた。しかし、主力事業であるファンドデータ(同43.0%増)、Web広告やセミナー(同17.7%増)などが伸び、売上高の水準を維持。ファンドデータ提供など利益率が高い事業が伸びたことによって、営業利益率が向上した。

 ファンドデータ事業は、同社が投信の販売金融機関に提供しているタブレットの販売支援アプリの導入社数が、前年同期末比30.6%増で64社に拡大。アプリ提供タブレット台数は同29.4%増の4万5064台になった。導入金融機関での利用率改善を継続的にサポートするセミナーや勉強会の開催、利用事例の紹介などの取り組みが奏功し、アプリの月次利用率は87%、日次平均閲覧ページ数は12.4ページと、導入金融機関の満足度が高いという。

 また、「アプリを導入いただいた金融機関からPC用データ受注やロボ・アドバイザーなど他のツールの相談など、広がりのあるビジネスにつながっている。また、効果的な利用方法をフィードバックすることにより、オプションとして機能追加の要請を受けるなど、タブレットアプリを核にしたファンドデータ事業の拡大余地は大きい」(朝倉氏)としている。

 一方、9月17日に開催した「投信EXPO」に1920人の個人投資家が参加するなど、同社のWeb媒体等のメディア価値が向上し、Web広告やセミナーへのスポンサー需要が高まっているという。

 朝倉氏は、「金融庁のフィデューシャリー・デューティーへの徹底で、投信販売が大きく変わる」と見通している。「販売現場では顧客本位の業務運営の徹底を図り、情報の非対称性を解消する取り組みが、これまで以上に必要とされる。投信販売の現場で、客観的、中立な情報提供が強く求められるほど、第三者機関によるファンドラインナップ分析やファンドレポート、あるいは、情報ツールとしてのタブレットアプリなどが、ますます求められるようになる」と、同社にとっては、金融規制の方針がビジネスを後押しする追い風になるとの見方を示した。(写真は決算説明会でモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)