習近平が2022年以降も総書記&国家主席を続投するのではないかという憶測がある。来年の第19回党大会で定年を越えた王岐山を留任させて李克強を追い落とそうとしている説とともに。それらの可能性を分析する。

「三期続投説」に関して

 習近平と李克強が激しく権力闘争をしているということを主張する人々は、さまざまな憶測を創りだしては、世をにぎわしている。

 その中に習近平が二期目の2022年以降も総書記 (2023年に国家主席) の座を放棄せず、2022年から2027年までもトップの座に留まる可能性があるという「三期続投説」がある。

 そのためにいま開かれている六中全会は、習近平にとっては権力闘争の正念場だという分析をしている報道も見られる。

 そこで今回は、中国共産党においては、「任期は二期に限るという規定」があり、さらに国家主席に関しては憲法にその制限が明記されていることを、ご紹介しよう。

 前回のコラム「六中全会、党風紀是正強化――集団指導体制撤廃の可能性は?」を補足するなら「集団指導体制を撤廃するには民主集中制を撤廃しなければならず、民主集中制を撤廃するには憲法改正を行なわなければならない」ということになるが、「三期続投」を実行する場合も憲法を改正しなければならない。

「任期は二期を越えてはならない」という憲法の制約

 中華人民共和国憲法の第七十九条には、「国家主席および国家副主席の任職は、(全国人民代表大会の任期同様)連続して二期以上を越えてはならない」という規定がある。

 第六十七条には「全国人民代表大会常務委員会委員長および副委員長の任職は、連続して二期以上を越えてはならない」という条文がある。

 さらに第八十七条には「国務院総理、副総理および国務委員の任職は、(全国人民代表大会の任期同様)連続して二期以上を越えてはならない」という条文がある。

 したがってもし、習近平が2023年後もなお「国家主席」でいることは、憲法上、許されないのである。

 習近平は2013年3月から2018年3月までの5年間が、第一期目の国家主席、2018年3月から2023年3月までが第二期目の国家主席で、合計10年間、国家主席でいることは合法的だ。しかし第三期目、つまり2013年3月以降も国家主席でいようということは、憲法第七十九条に違反するので、不可能である。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)