米エスティ ローダーがベッカ・コスメティックスを買収、若年層を狙う

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米化粧品大手エスティ ローダーは10月21日、オーストラリアの化粧品メーカー、ベッカ・コスメティックス(BECCA Cosmetics)を、ラグジュアリー・ブランド・パートナーズから買収するしたと発表した。

最近では人気モデルのケンダル・ジェンナーを広告に起用するなど、若い層の開拓に力を入れてきた同社は、今回の買収によってさらにZ世代にアピールすることができるようになるだろう。買収額など契約の詳細は明らかにされていないが、ファッション情報専門誌のビジネス・オブ・ファッションは約2億ドル(約208億円)と推定している。

ベッカ・コスメティックスは2001年に創業。2016年の収益は、約8,000万ドル(約83億円)に達すると予想されている。YouTubeのメイクアップ動画が人気を博しているジャクリン・ヒルとのコラボレーションなど、非白人の”常連”が多いことで有名だ。

ヒルがメイクアップ動画の中でベッカのある商品を取り上げたところ、売り上げは3倍に増加。ベッカが彼女にアプローチするまで、長くはかからなかった。ヒルの動画の登録者は300万人を超えており、彼女の動画はどれも視聴回数が100万回近くに達する。

10代向けの美容市場は活発化しつつあり、米投資会社パイパー・ジャフレイ(Piper Jaffray)が実施した新たな調査によれば、同市場の消費額は20%増加している。若者にとって、セルフィー(自撮り写真)での写真映りの良さは重要なのだ。

「当社の高級化粧品ブランドの一つにベッカ・コスメティックスが加わったことは素晴らしいことだ」と、エスティ ローダーのファブリツィオ・フリーダCEOは言う。「ベッカは、肌の色を引き立てるベースメイクが充実しているところがユニークで、デジタルの各種チャネルで消費者とつながることでファンを増やしている」

エスティ ローダーは、2010年にもメイクアップブランド、スマッシュボックス(Smashbox)を買収している。しかしベッカはメイクアップブランドの中でも”肌の色”に重点を置くブランドとして知られている。ファンデーションやハイライト、コンシーラーなどベースメイクのアイテムが充実しており、エスティ ローダーにとってはそこが伸びを期待できる部分となる。

エスティ ローダーは前四半期で純売上高が5%増加したが、組織再編に費用がかかり純利益は減少した。通年(6月30日締)ではメイクアップ関連の売上が9%増加したものの、スキンケア関連は1%減少。新たなベッカの化粧品は顧客の目に、メイクアップ製品というよりも肌をきれいに見せる”スキンケア用品”として映るかもしれない。

ベッカ・コスメティックスのボブ・ドゥベイカーCEOは、「エスティ ローダーにビジョンとスケールがあり、それがベッカを次の段階へと引き上げ、また同時にベッカが独自のブランドを築いていくのを手助けしてくれるだろう。ベッカが考える化粧品は、肌の色や個性を生かしながら、全ての女性が自然で美しくなるための手助けをするもの。エスティ ローダーは、そのミッションを大いに支持してくれている」と言う。

エスティ ローダーの株価はこの6か月で10%以上下落。10月に入って一部経営陣の刷新を行ったが、ウォール街はもう待ちくたびれたようだ。バークレイズは先日、同社の株をイコールウェイトからアンダーウェイトに格下げ。パイパー・ジャフレイもオーバーウェイトからニュートラルに格下げを行うと発表した。