NYタイムズ、31億円でガジェット系メディア買収 創業者はギズモード出身

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ニューヨーク・タイムズは10月24日、創業5年のオンラインメディア企業「ワイヤーカッター(The Wirecutter)」を買収すると発表した。ワイヤーカッターはギズモードやワイヤードの元編集者で、テクノロジー系ジャーナリストのブライアン・ラムが設立したメディア。様々なガジットに関する口コミ情報を掲載している。

買収額は3000万ドル(約31億円)以上と報道されており、既に現金で支払いが完了している。

「ワイヤーカッターは厳格な評価で消費者利益をもたらし、読者に有用な情報を提供しています。ニューヨーク・タイムズは我々の完璧なパートナーになります」と創業者のラムはプレスリリースで述べた。

ラムは2011年に自己資金でワイヤーカッターを創業。買収後は相談役として会社に留まる。ワイヤーカッターが取り扱う品目はテクノロジー系ガジェットや、家電製品、その他の消費者プロダクトに及んでいる。サイト上には商品の購入にあたっての具体的アドバイスや他のユーザーからの率直な意見が掲載されている。

「サービス・ジャーナリズム」を強化

ニューヨーク・タイムズ社長でCEOのマーク・トンプソンは「この合併に非常に感激している。ワイヤーカッターにはサービス・ジャーナリズムとも呼ぶべき質の高いレビューが掲載されており、収益性も非常に高い」と書面で述べた。

タイムズは今回の買収でワイヤーカッターの姉妹メディアの「スウィートホーム(Sweethome)も手に入れる。両メディアともに専門ジャーナリストらの調査を通じた、製品のリコメンドが特徴となっている。

ワイヤーカッターの収入源はアマゾン等の大手や中小のECサイトへのクリック誘導や、購入により発生する金額のレベニューシェアモデルだ。ニューヨーク・タイムズは直近の四半期で7%のオンライン広告売上減に直面した。メディア企業らが広告費の減少に悩むなか、このディールは非常に魅力的に映る。

「ニューヨーク・タイムズは報道やエンタメ情報の分野で決定的ポジションを確立しており、今後はサービス・ジャーナリズムの分野にその勢力を拡大します。ワイヤーカッターやスウィートホームの製品リコメンドに対するアプローチは、我々のメイン事業であるニュース報道が持つ、高い基準に合致するものです。人々の暮らしに必須の情報を届けたいというニューヨーク・タイムズの目標に、新たな2メディアは見事に合致するのです」とトンプソンは述べた。