岩崎(20番)をはじめ、勇気を持って高い位置からのプレスを仕掛けたU-19代表の戦いぶりは、ハリルジャパンにとって参考になるのではないか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト編集部)

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 大会規模や相手のレベル、カテゴリーなど、様々な点で状況も条件も異なるだけに、参考にはならないかもしれない。
 
 それでも、5大会ぶりにU-20ワールドカップの出場権を掴んだU-19代表の戦いぶりには、アジアの厳しい戦いに苦戦しているハリルジャパンが見習うべき点があったのではないだろうか。

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 世界行きのチケットが懸かるU-19アジア選手権の準々決勝・タジキスタン戦で、前半に2点のリードを得て臨んだ後半、日本は少なからず劣勢となる時間帯があった。
 
 ビハインドを背負う相手が攻撃の強度を上げてくる。それは当然の流れだ。前半は失点しても引き気味に構えていたタジキスタンも、さすがに後半はアグレッシブな姿勢を打ち出してきた。
 
 これに対し、若き日本代表はいかに戦ったか。
 
 小川が直接FKでチーム3点目を奪ったシーンが象徴的だった。FKは小川の突破を止めた相手のファウルで得たものだったが、そこに至るまでの過程がポイントだ。
 
 最終ラインでボールを回すタジキスタンに対し、攻撃陣の堂安や岩崎がハイプレスを仕掛ける。日本のプレッシャーに気圧され、相手のパスワークに乱れが生じると、こぼれ球を拾った小川がドリブルで仕掛け、そこで倒された。
 
 タジキスタンが前への意識を強め、リズムを掴みつつあるシチュエーションだったが、日本は完全に受け身にならず、機を見て果敢に前から奪いに行こうとした。
 
 翻って、先日のオーストラリア戦の日本はどうだったか。ブロックを組んで敵の攻撃を迎え撃つ守備的な戦術を採用するなか、「今日はたぶん、前線からプレスに行ったシーンは本当に数えるぐらい」(香川)だった。
 
 前半にリードを奪われたオーストラリアは、後半が始まって7分後に同点に追いつくや、逆転を狙い、さらに“攻撃の強度を上げてきた”。一方の日本は、相手の圧力を撥ね返せず、全体的にラインも下がり、守勢に回る時間が長くなる。
 
 そうした展開が、逆に効果的なカウンターを生み出していた側面はたしかにあった。とはいえ、最終的には相手を突き放せず、1-1の引き分けに終わっている。
 
 能動的にボール奪取を狙いに行くのは、ハリルジャパンが目指す形のひとつでもある。割り切った戦術は悪いとは思わないが、相手の勢いをけん制する意味でも、“強気な守備”を織り交ぜる柔軟さも必要だと感じる。
 
 年内最後の予選となるホーム・サウジアラビア戦では、ハリルホジッチ監督の巧みな手綱捌きを期待したい。
 
文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)