安価な人件費を背景に「世界の工場」としての地位を確立した中国だが、近年は人件費の上昇が続いているほか、不動産バブルによる地代家賃の上昇がかつてのコスト優位の喪失に拍車をかけている。(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)

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 安価な人件費を背景に「世界の工場」としての地位を確立した中国だが、近年は人件費の上昇が続いているほか、不動産バブルによる地代家賃の上昇がかつてのコスト優位の喪失に拍車をかけている。

 中国メディアの経済観察網は24日、中国における米ドルベースでの輸出額について9月は予想よりも大幅に減少し、前年同月比10%減となったことを伝え、「世界の主要国の輸出全体に占める中国の割合が低下しており、世界の工場としての中国は警戒が必要」だと論じた。

 中国の9月における輸出が予想よりも大幅に減少したことについて、記事は「外需回復はまだ見込めず、中国が輸出を増やすのは容易ではない」と指摘したうえで、世界貿易機関(WTO)のデータとして、2015年に14.95%だった主要国の輸出全体に占める中国の割合は、16年1-7月は13.90%に低下したことを指摘。

 また、中国のシェアが低下したのは1978年の改革開放以降としては「1996年に0.1%低下しただけ」だったと指摘し、16年はすでに1.05%も減少していることは「中国は重要な転換期を迎えている可能性がある」と論じた。

 続けて、貿易は一国の国際競争力を示す鏡であるとしたうえで、「中国は輸出シェアが低下しているだけでなく、貿易黒字の額も減少傾向にある」と指摘。一方、インドやベトナムのように多くの輸出品目で中国と競合関係にある国の輸出状況は「中国より良好」であると指摘。こうした国々の台頭によって中国の輸出市場における強みは「絶えず削られ続けている」としたうえで、世界の工場としての地位を維持し続けてきた中国は警戒が必要な状況に追い込まれていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Bartlomiej Magierowski/123RF.COM)