By OnInnovation

Microsoft創業者にして、長らく「世界一の金持ち」の称号を保持し続け、総資産がついに800億ドル(約8兆3000億円)を突破したビル・ゲイツ氏は、2016年10月28日に61歳の誕生日を迎えます。世界一金持ちの男がどのような日常を送っているのかを知るべく、Telegraphの記者マリー・リデル氏が3カ月に渡ってゲイツ氏を密着取材して、その生活スタイルについてまとめています。

Bill Gates: He eats Big Macs for lunch and schedules every minute of his day - meet the man worth $80 billion

http://www.telegraph.co.uk/men/thinking-man/bill-gates-he-eats-big-macs-for-lunch-and-schedules-every-minute/

それまでもたびたびゲイツ氏に取材で会ったことのあったリデル氏は、密着取材前からゲイツ氏がどのような性格の人物であるかについて一定程度の理解がありました。リデル氏によると、世界一の金持ちのゲイツ氏が興味を持つのは「世界を変えるようなテーマ」だけで、小さなことには関心がないとのこと。それが世界を変える可能性を持つものであれば、たとえあまりに壮大すぎて実現するかどうか不確かだったり、一見ばかばかしく思えたりするようなアイデアであっても注意を払う性分だそうです。そして、ゲイツ氏の人物像を端的に表現すると、「控えめで礼儀正しいが、無駄なことを徹底的に嫌う性格」だとのこと。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(ゲイツ財団)を設立したゲイツ氏の最近の関心事は、「病気の根絶」と「貧困の根絶」の2点です。ゲイツ氏は最も親しいアドバイザーにスケジュールの管理を任せており、分刻みの忙しい日々を送っています。例えばある日のスケジュールは、ズールー族の王様と会食してエチオピアの大統領に宛ててアドバイスを送った後、出発前の空港ラウンジでイタリアのマッテオ・レンツィ首相と会い、その後、フランスのフランソワ・オランド大統領からの助言の要求に応える、というような生活だとのこと。まるでアメリカ大統領のような5分刻みのスケジュールでは、あいさつと握手の時間は数秒が予定されています。



密着取材の最中に、イギリスのEU離脱問題(Brexit)が発生しましたが、ゲイツ氏はイギリスのEU離脱に強く反対しており、イギリスがEUを離脱することになればビジネス上の魅力が大きく損なわれるだろうというメッセージを送っていたそうです。Microsoftやゲイツ財団はイギリスに巨額の投資を行ってきており、ゲイツ氏いわく「イギリスは世界一のパートナー」だとのこと。イギリスのビジネスと深い関係を持つゲイツ氏に対して、ブレア首相以来の筆頭書記官は、ゲイツ氏の意見を聞き入れるために政府のドアを常にオープンな状態にしているそうです。

ゲイツ財団のジョー・セレル専務理事はゲイツ氏の移動の特徴について、「ダイエットコーラが山盛りのホテル」が欠かせないと話します。コーラをよく飲むゲイツ氏は、どんな場所のホテルであってもチーズバーガーを食べるとのこと。「もしもあなたがビルとランチタイムを共にすることになったなら、きっと一緒にハンバーガーを食べることになるでしょう。いつだって誰かをマクドナルドに行かせています。もちろん、自宅では(妻の)メリンダがそんなことはさせていないと思いますが」とセレル氏は述べています。

セレル氏によると、ゲイツ氏は妥協しないボスだとのこと。「彼はかなりのせっかちです。もしもビルと一緒に働くならば、自分の仕事内容をとことん知り尽くしていることが求められます。それは、ものすごく頭の良い人に対する報告のようなものです。もしもビルが『自分の時間が浪費されている』と感じたならば、彼はたいていイライラします。彼はとても面白い人で、決して傲慢ではありません。しかし、私たちの仕事はかなり構造化されています」と、ゲイツ氏のビジネス上の人物像を表現したそうです。



リデル氏は取材を通じてゲイツ氏が未来に対して楽観的な考えを持っていると感じたとのこと。ゲイツ氏は、今は動乱がある世の中であっても、良い方向に移り変わっていると強く信じています。もちろん、テロの存在や難民問題、エイズ患者の爆発的増加などはゲイツ氏の考えに影を落としていますが、ゲイツ氏は「すべて良い傾向に向かっていると思っています。しかし、世の中には懸念しなければいけない『暗い雲』が3つあります。一つは生物兵器や核兵器を持つテロリストによってパンデミックがもたらされる危険。2つめは人工知能などの技術が適切に使われない危険。そして、3つめが民主主義自体が崩壊する危険です」と述べています。

そしてゲイツ氏は、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOがゲイツ氏と同じく病気の根絶を目標に30億ドル(約3100億円)の資金提供を約束した行為を評価しています。しかし、近年、民主的な方法で選ばれたわけではない企業があまりにも多くの力を保持するのを危険視する考えが増えていることに対して、ゲイツ氏は同意していないとのこと。「マーク・ザッカーバーグは良い人です。Googleのラリー・ペイジも良い人です。私はFacebookやGoogleが悪性であるとは思いません。ジョン・ロックフェラーの時代は経済の大部分がコントロールされていましたし、ビジネスの透明性は非常に脆弱でしたが、デジタルの世界はより親密なものです」と述べ、巨大なIT企業が経済を牽引する現在のほうが過去よりもよい状態にあるとの考えを明らかにしたそうです。