美食から若者向けのコスパな店まで、幅広い飲食店がそろう恵比寿。その裏路地には、研ぎ澄まされた新進の和食、技が冴える鮨、地元で愛される大人の居酒屋など、和の良店が目白押しだ。



夜に浮かび上がる真っ白な外観が印象的だ。看板は小さめで、一見しただけでは和食とは思えない雰囲気
空間と料理と器とそのすべてがおもてなし『日本料理四四A2』

恵比寿


銀杏の一枚板のカウンターは、思い切りがよすぎるほどの冴えざえとした佇まいを見せる。まな板さえもカウンターにすっぽりとはめ込まれ牴燭發覆と学〞という言葉が頭にポツンと浮かぶ。

だが、さにあらず。遊び心と見る目の確かさで選んだ器たちが、料理と共に並ぶと、そこで初めて世界は動き出すのだ。



秋の豊富な食材を少しずつ味わう「八寸」。(写真は夜のコースの一例)
※時期などによってメニューの変動あり。

料理はひとつひとつが明快でありながらアイデアの宝庫。できたての温度や香りのピークを味わってもらおうと、会話のタイミングに目を配り、提供する瞬間を逃さない。そのために、予約は目が届く人数のみ。

時にハッとさせられ、五感をかきたてられる起伏ある展開で、食べ手をその世界に引き込んでいく。



「先付」は栗の白和え。薄紅色のいちじくのゼリーをかけて。(写真は夜のコースの一例)



「霧島牛のしゃぶしゃぶ」。あさり出汁で炊いた様々な茸をすり流し風に、白トリュフをどっさりと。(写真は夜のコースの一例)



無垢の椅子や真鍮のランプシェードがモダンな印象を添える



【How to go!】東口を出て徒歩で12分ほど。白金高輪方向にまっすぐ歩いて社会教育会館の交差点まで来たらもう一息。左に曲がった少し先だ。白いのれんが目印


恵比寿きっての鮨の名店やデートに使いたい和食店が登場



【How to go!】東口を出て、ガーデンプレイスまでは恵比寿スカイウォークで、そこから左へ出てまっすぐ。閑静な住宅街に入ったあたりにある。日仏会館のある交差点すぐ
魚は天然ものが基本。たおやかに旬を握る『鮨 伊佐野』

恵比寿


魚はもちろん、他の食材にもいっさいの妥協なし。静岡の有東木村から届く山葵は注文してから収穫して出荷されるという。

最盛期の素材だけが持つ溌剌とした香りや食感、旨みをそっと押しあげるのが酢も塩もやや軽い酢飯だ。旬のご馳走をいただく最高の贅沢がここにある。



上から大トロ、冬の走りのぶり、中トロと大トロの中間の霜降り、昆布〆の金目鯛。写真はおまかせの一例です



炙ったトロで芽ねぎと酢飯を包んだ「焼きすき」。溶き卵を絡めてすき焼き風に。写真はおまかせの一例です



カウンターは目の高さに坪庭の景色がくるように計算されている




【How to go!】西口を出て、アトレを横目に直進。2階にカラオケ店があるファミリーマートまで向かう。その横の急な階段を上り、右に進むと、小さな『くおん』の看板が目に入る
変貌する街で愛される、変わらない味と心意気『くおん』

駅からすぐなのに、知らなければ絶対にたどり着けない。店までのアプローチそのものがすでに最高のプレゼンテーションであり、静かな住宅街と戸を開けた満席の賑わいのギャップがまた最上のアペリティフとなる。

強敵が次々と現れるこの街で10年以上も人気を誇るのは実力の証だ。目利きの確かな魚や鎌倉野菜、この時期に岩手から届く天然のきのこなど、厳選した素材と純米酒という変わらぬスタイルが地元で長く愛されている。



「名残り鱧と松茸のすだち小鍋」。鍋仕立てにすだちの酸味が爽やか。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



看板料理の「炙り〆鯖の棒寿司」(2貫)800円。季節によって全国からいい鯖を探して仕入れている



約20種類の日本酒はすべて純米酒。蔵元を訪問するなど縁を大切にしている



白木のカウンターのほか小あがりのテーブル席もある


裏路地すぎて見つからない!? 大人気の和食店をご紹介



【How to go!】東口から恵比寿ガーデンプレイス出口へ。アメリカ橋を渡ったら目黒方面へ。厚生中央病院交差点を過ぎたらすぐに細い道を左折。さらにすぐ左に入ったところ
心置きなく食べられる体に優しい和食を『裏恵比寿 まました』

目黒


民家に囲まれた袋小路の一角にあり、本当に知る人ぞ知る隠れ家だ。鮮度のいい刺身が人気だが、コンセプトは体に優しい料理。体に少しでも負担をかけない食材や調理法を考案しているという。

たとえば看板料理の「まました特製ポテトサラダ」は、マヨネーズを使わず、練りごまとお酢、隠し味の味噌でコクのある味わいに。食べる人の健康を気遣うそんな温かいもてなしに、通って来るファンが多いのも納得だ。



「新サンマの梅しそ巻き」、「栗とユリ根のかきあげ」。揚げ物も胃にもたれない調理法で。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



動物性のものを一切使わない「まました特製ポテトサラダ」。お好みでウスターソースをかけても美味しい



日本酒は常時15種類ほど



1階はオープンキッチンのカウンターがメイン。個室やテーブルのある2階席も用意されている