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NTTグループ(日本電信電話およびその子会社・関連会社)が、サッカーJリーグの大宮アルディージャ(NTTスポーツコミュニティ)のホームスタジアムである「NACK5スタジアム大宮」のスマートスタジアム化に取り組んでいる。

10月22日に開催した明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第15節「大宮アルディージャ 対 湘南ベルマーレ」の試合では、「快適な観戦環境」「地域連携」「楽しさ」の3テーマを軸にさまざまな施策が実施された。

○高密度Wi-Fiで試合映像を限定配信

観客の「快適な観戦環境」を追求するため、NACK5スタジアム内に高密度Wi-Fi「ARDIJA FREE Wi-Fi」を導入し、通信環境の向上に努めている。一般的なスタジアムでは、1アクセスポイントあたり約400〜500名なのに対し、NACK5スタジアムでは、1アクセスポイント300〜350人の計算となる計75カ所にWi-Fiアンテナを設置。これにより、アクセスを分散し、より快適な通信環境を提供できるとしている。

併せて、「ARDIJA FREE Wi-Fi」を用いて、観客に高精細な映像番組を低遅延で一斉同報配信できるWi-Fiマルチキャストシステムを本格導入した。新提供した公式のスマートフォンアプリ経由で「ARDIJA FREE Wi-Fi」に接続する来場者限定のサービスとなる。

具体的には、観客のスマートフォンで目の前の試合に連動した映像番組や限定コンテンツなど、3チャンネルを提供する。Ch.1では、スカパー!「Jリーグオンデマンド」の試合中継映像。Ch.2では、応援番組スタジアム内限定のオリジナル応援番組(試合のダイジェストやリプレイ、ハイライトシーンの振返り、各種映像やトラッキングデータの提供など)。Ch.3では、国内サッカーでは日本初となる特定の選手を常時フォーカスした「選手追っかけ映像」を配信する。

これらの映像の一部は、フィールドが見えない入場ゲート前やコンコースなどに新たに設置したデジタルサイネージでも視聴可能。サイネージ上では、クラブやスタジアムからのファンへの告知や地域の応援店情報も提供する。

また、VIP向けサービスとしてビューボックスでは、専用タブレットによるフードデリバリーサービスも提供している。売店に並ばずにドリンクやフードなどを購入できるため、評判が良いという。今後、指定席への展開も考えているという。

「地域連携」としては、スタジアムが大宮の市街地に立地することを生かし、公式アプリ上で、地域情報や近隣店舗のクーポン情報を配布している。担当者は「試合前後に大宮駅付近で飲食や買い物をする観客が多い。そのため、両社が連携して地域に貢献できるような施策をさらに考えて行きたい」と今後の取り組み拡大についても話していた。

○「VR&触覚技術」で"リアル"なシュートをキャッチ

「楽しさ」の提供としては、NTTの研究所が持つ「VR&触覚技術」を活用したゴールキーパー体験のシステムを開発。ヘッドマウントディスプレイを装着すると、自分自身が試合のフィールドに立つゴールキーパー目線でスタジアムが見渡せる。選手のシュートを受けると、手や腹部に装着した装置が振動し、触覚によるリアルな感覚が体感できる。

複数カメラ映像を用いて計測したシュートの軌跡と、全周囲カメラによって撮影されたスタジアム映像を適切に組み合わせ、仮想空間上にシュートを再現しているため、このボールは、「限りなく本物に近い」そうだ。

今後は、「前半戦で決まったシュートを、ハーフタイム時に来場者に体験してもらう」という使い方も考えているという。22日の湘南戦での体験会では、横谷繁選手と家長昭博選手のシュートを受けることができた。

(山本明日美)