ロシア帝国からの独立100周年を来年迎えるフィンランドは、1917年の独立の合法性について疑義を唱えるロシアの「プロパガンダ」に警戒を強めている。

 かつてロシア帝国の一部であったフィンランドは、1340キロに及ぶ国境をロシアと接しており、同国との間には複雑で血にまみれた歴史がある。ロシアによる2014年のクリミア併合と、バルト海での武力による威嚇を受けて、軍事的中立を保つ欧州連合(EU)加盟国のフィンランドは安全保障上の懸念を募らせている。

 今月に入り、フィンランドとエストニアは、ロシアの戦闘機が自国の領空を侵犯したと非難。ロシアはまた、ポーランドとリトアニアに挟まれた自国の飛び地カリーニングラードへ核搭載可能なミサイルの移動を開始している。

 まだロシア帝国の一部だったフィンランド大公国時代に建てられた政府宮殿の中にあるオフィスで、マルック・マンティラ氏はフィンランドに影響を与えようとする動きを監視する官僚ネットワークを率いている。

 同氏によると、フィンランドはロシア大統領府が主導するメディア攻撃の嵐に直面しているという。

「ロシアによるこのような攻撃の狙いは、指導者と市民の間に不信感を生み出し、われわれ自身に有害な決定をさせることだと考えている」とマンティラ氏は指摘。「市民にEUに対する疑念を持たせ、フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に参加しないよう警告する狙いもある」

 フィンランドは1917年のロシア革命時に独立を勝ち取ったが、第2次世界大戦におけるソ連との戦いで危うくそれを失いかけた。冷戦時代には、経済的にも政治的にも西側に近くあり続ける一方、ソ連との対立は避けてきた。

 通信当局の責任者も務めるマンティラ氏によると、ロシアのメディアは先月、「血も涙もない」フィンランド当局が「国籍が原因で」同国に住むロシア人の家族から子どもを引き取ったと報じた。