今、広く懸念されている薬剤耐性マラリア、やはり「ニオイ」で防ぐしかない!?(出典:http://www.express.co.uk)

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熱帯や亜熱帯地域で毎年3億人近くの患者を出し、そのうち50万人前後が死亡しているマラリア。最近では、予防のためのワクチンもなく感染しても発病させない予防内服薬も効かない、そんな薬剤耐性マラリアまで出現して世界で新たな不安が広がっている。そんな中、米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが興味深い論文を発表したもよう。蚊に対抗する手段は、今のところやはり「嫌われるニオイ」を考えることに尽きるようだ。

「彼らは遺伝子的にヒトのニオイと血の味が大好きだということがわかりました。それらを“変える”ことによって年間45万人の命を恐ろしい熱病のマラリアから救うことができそうです。」

米メリーランド州の名門私立ジョンズ・ホプキンス大学のオレーナ・リアビニナ博士とその研究チームが、原虫(寄生虫の一種)を媒介してヒトにマラリアの感染をもたらすハマダラカなどの蚊について、様々なニオイにさらして観察した結果をオンライン科学誌『Nature Communications』に発表した。こうした研究や実験はこれまでハエで行われていたが、今回はマラリアを感染させる種類の蚊に特化したという。

このたびの研究チームのひとり、クリストファー・ポッター氏は「すべての蚊が栄養源となる血液を求めてまずは嗅覚を頼りにヒトを刺す。これは遺伝子に組み込まれたこと」と説明。ハマダラカも例外ではなく、神経細胞(ニューロン)が緑色に光るようにして感覚ニューロンを観察したところ、好みのニオイを放つヒトの皮膚を口吻先端(labellum)が刺すと、その先端にある嗅覚受容体から脳にシグナルが送られる。そこでニオイの情報の処理が行われるが、その後味覚の情報が食道下神経節に伝えられる。つまり、蚊はニオイを嗅ぐと同時に血の味がわかるということになる。逆に彼らの好みのニオイがしない場合は近寄りも刺しもしないため、ハマダラカは“好き嫌い”をする蚊であるようだ。

レモングラス、ユーカリ、ゼラニウムなどに含まれるシトラール、シトロネラール、菊のピレスロイドのニオイなどを虫が嫌うことは広く知られており、ドラッグストアではそうした成分を利用した虫除けグッズも売られているが、ご存じのとおり完璧ではない。このたびの論文も「ハマダラカを彼らの嗅覚の段階で除けることが重要」とまとめられ、一日も早く蚊が嫌いな香りと味を持つ、安全で強力な効果を生む薬剤の開発が期待されるようだ。

今後、研究チームは蚊が持つ3種類の嗅覚受容体について彼らの行動にどのような影響をもたらしているのか調査していくという。

出典:http://www.express.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)