池松壮亮 “批判される覚悟”で『デスノート』に挑んだ勝負師の顔
捜査官・三島と、Lの後継者・竜崎、そしてサイバーテロリスト・紫苑がデスノートをめぐって火花を散らす『デスノート Light up the NEW world』。なかでも、黒いマントに白髪交じりの長髪という、目をひくビジュアルで竜崎を怪演するのが池松壮亮だ。数々の作品で、その演技力は立証済みだが、竜崎役のオファーには正直不安もあったと明かす。淡々と当時を振り返る池松。だが、出てくる言葉は作品への想いにあふれ、彼が最初から負けるつもりなどなかったことがわかる。
撮影/祭貴義道 取材・文/新田理恵 制作/iD inc.
――『デスノート Light up the NEW world』で、久しぶりに『DEATH NOTE』の世界をスクリーンで観て、今の時代にふさわしい形で蘇ったなと思いました。世界中にファンがいる作品の新作に、オリジナルキャラクターでの出演オファーが来たときの気持ちを教えてください。
やっぱりちょっと様子が違ったというか…。
――様子が違う?
昨今のメジャー映画とは何か違ったというか、ムチャしてる感じというか。いろいろ調べていくと、前作の『DEATH NOTE』2部作はマンガ原作の映画化の走りだったり、それから10年たって今や(マンガ原作の映画化は)当たり前になってますけど、いろいろ革新的なことを起こしてるんですね。
――確かにそうですね。
監督・キャストは変わりましたけど、プロデューサーは同じで、10年たって新しい革新的なことをやろうとしてるっていうことが、すごく伝わってきましたし、その熱意が受け取れたんです。ひょっとしたら大失敗するかもしれないこと、ひょっとしたらものすごく勝つ可能性があること、そういうリスクが高いことって、やっぱり俳優としてもひかれるので。すごくドキドキしましたし、「大丈夫かなぁ…」とも思ったけど、やってみたいなと思わされましたね。
――おっしゃるように、最近の映画は「これをやると当たるだろう」という安全パイで作られている作品が多い気がします。だから、ファンの多い『DEATH NOTE』を自ら超えようとするって、ただ事ではないですね。
ホントそうなんですね。原作に続編があるのなら、話はまったく別ですけど。
――世界的私立探偵でLの正統後継者・竜崎という役は、完全に新作のオリジナルキャラクターです。Lから繋ごうと意識した部分はありますか?
ホントにLが好きな人には多少わかると思うんですけど、その癖だったり、性質っていうものをあえてマネてる部分は結構あるんです。それ以外は、むしろ、真逆をやろうと思ってやっています。
――ビジュアルもLと違ってスタイリッシュでカッコいいですよね。このイメージは監督さんやスタッフさんと話し合って決められたのですが?
まず、Lをやるなら髪は長いほうがいいだろうと思って、ずっと伸ばしていたんですよ。
――それはどうしてですか?
なんでしょう? 勝手なイメージですね(笑)。Lというキャラクターが受けた要因のひとつとして、ちょっと中性的な部分があると思うので、中性的な見え方を考えた結果です。あと、『DEATH NOTE』の世界に、見たことある若手俳優(池松、東出昌大、菅田将暉)が3人並んでも面白くないですし、それだと『DEATH NOTE』になり得ない。松山(ケンイチ)さんがLを演じられたときは、眉毛を全部剃って、アイシャドウを入れて、ビジュアルから作り込んでいますし、そんな死神にも劣らないキャラクター性があったからこその『DEATH NOTE』だと思ったんですよね。
――今まで演じてこられた役からすると、池松さんには、リアルでナチュラルなお芝居をされる方という印象を持っていましたが、今回は全然違って、とても劇画的なキャラクターを演じてらっしゃいます。
そうですね。普段は役をキャラクター化することが一番苦手だったというか、やりたくなかったというか。でも、やっぱり『DEATH NOTE』っていう世界では、死神を凌駕しにいくようなキャラクターがいないと面白くないですし、普段やらないことをたくさんやりましたね。
――デスノート対策本部の捜査官・三島を演じた東出さんとふたりのシーンが多いですが、東出さんは池松さんとはタイプの違うお芝居をされる印象があります。東出さんをはじめ、まわりの方とのバランスも考えられたのでしょうか?
もちろん、真ん中じゃないときは全部考えます。今回も、東出さんがどういうふうにやろうとしているか、自分はどの領域までいけるかな、ということは一応考えてはいます。おっしゃるように、まったく違うタイプの俳優さんですし、それは菅田くんもそうなんですけど、それぞれ全然違うので、それぞれの領域でどこまでいけるか考えましたね。特に東出さんとのシーンでは、正義の貫き方というところで、三島と違うからこそぶつかり合う部分を楽しめたらいいなと思ってやっていました。
――サイバーテロリスト・紫苑(しえん)役で菅田さんも登場しますが、おふたりのゆる〜い会話劇『セトウツミ』を観たあとに、本作で世界の存亡をかけて戦っている竜崎と紫苑を観ると、不思議な気持ちになるのですが(笑)。やはり現場が違うと、お互いのお芝居のやり方も変わるものなのですか?
いや、たぶん菅田くんって、どこにいてもあんまり変わらないタイプで。僕も変わらないつもりではいるんですけど、やっぱり“気分”はあるので、現場やそのとき周りにいる人によって、僕はちょっとずつ違うと思います。
――世界中にファンのいる『DEATH NOTE』。もうじき、皆さんにお披露目することになるわけですが、完成作を見て手応えはいかがですか?
いやー、お客さんの手に渡る前に、あんまり自分で裁くことは止めようと思っているので。普段から。まだなんとも言えないです。
――ご自身の中でやりきった感があれば、世間の評価がどう出ても仕方はない、と?
それはもう、仕方ないと思います。自分で選択したことですし、批判もされる覚悟を持っていたからやれた役だったので。その覚悟を持っていなかったらやってなかったと思うし、逆にきわどい戦いだから面白がってる自分もいますし。やっぱり、僕が逆の立場でも、オリジナル作品に愛着があれば気になると思います。作品を愛して、Lを愛しているわけですから、そこに敬意が見られなかったときに「ふざけるな」ってなるのは当たり前ですし。だから、そこに対してちゃんと責任取らなきゃいけないなと思ってやったつもりで、それが伝わらなかったら自分のせいと言われても仕方がないです。
――本作に限らず、池松さんの中で、「この作品、勝負に勝てた!」と思えるケースって、どういう結果が出たときですか?
うーん。すべてがハマったときなんですけど、そんなことはまずないですからね。
――すべてがハマったとき?
やっぱり、自分ががんばっても作品がダメだとか、作品ががんばっても自分がダメだとか、いろんなことがありますからね。でも、そこには自分の理想とする思いもありますし。すべてがハマるなんて、なかなかないですね。
――池松さんって、素顔がちょっとミステリアスですが、役のイメージもあって常に冷静沈着な印象があります。取り乱すこともあるんですか?
ありますねー。
――最近、どんなときに取り乱しましたか?
「『DEATH NOTE』の話が来てるよ」って言われたとき、取り乱しましたね(笑)。
――取り乱すとどうなるんですか?
いや、なんか、アワアワしました(笑)。久しぶりに動揺しました。それがあんまり、人に伝わらないだけで、自分の中では結構あります。人前で取り乱すなんてことを隠そうとしてる自分もいるので、伝わりづらいとは思います。
――あまり出したくないんですか?
うーん、なんかねぇ…。
――嬉しいことがあっても、情緒がわりとフラットなタイプなんですね?
たぶん、人よりはそうですね。でもそれって、実はあえてやってる部分もあって。俳優じゃなかったら、こうはなってなかったと思うんですよ。
――と言うと?
いろんな現場で、いろんな人と会って、いろんな場所で当たり前のようにお芝居をやらなきゃいけないんです。それって、ものすごく常識的なことをいうと、ちょっとぶっ飛んでますし、いろんな感情をコントロールしたり、いろんな感情を受けたりしてると、見失いそうになるんですよ、いろんなものを。
――見失う? 役を引きずってしまうということですか?
それも、ひとつあります。引きずるというか、役の感情に飲み込まれたりとか、人の感情を受けすぎたりとか、そういうことをやっていると、フラットな状態がどこにあったか忘れるんですよ。だから、なるべく人の感情に振り回されないようにしたいし、自分の感情にも振り回されないように、あえてフラットにしてる部分があるんです。
――俳優じゃなかったら、ものすごくひょうきんなタイプだったかもしれませんね(笑)。
それはあると思うんですよ、実は。多少バレてるかもしれないですけど(笑)。でも、さっきも言ったように、平気な顔して人前で演じることって、世の中的な普通に考えると、やっぱどっかぶっ飛んでる。それを当たり前にやる職業としては、どこか入ってくるものも、自分から沸き上がるものすらコントロールしなくちゃいけない。
――大学を卒業され、俳優業一本にされてから3年ほど経ちました。そのあいだ、本当にたくさんの作品に出演してこられましたが、自分なりの仕事のペースはつかめてきましたか?
僕のベストのペースは、もっともっと、のんびりしてるというか…。でも、いずれそうなるための今なので。
――いずれはゆっくり、理想的な形でお仕事するために、今はちょっとがんばっておくという感じでしょうか?
そうですね。
――それはキャリアとして、もうちょっと足場を固めたいということですか?
足場を固めるというか、今やるべきことは全部やっておくということですね。どっかで、まだやっぱり焦ってるので…。
――飄々としてらっしゃるので、全然焦っているようには見えないです(笑)。
そうですか(笑)。焦ってるんです、意外と。
――焦りっていうのは、何に対してですか?
何なんでしょうね。いつまで生きられるかわからないですし、半年後どうなってるかわからないですし…。人には言ったことないですけど、やっぱり自分が目指すところはもうちょっと先にあるので。そこがあるからこそ、焦りがあるんでしょうけど。
――その「目指すところ」というのは、ここでは教えていただけないんですよね?
そうですね。言葉にできないというか、漠然としてますから。だから、ある意味、今のペースも自分のペースではあるんですよね。焦りも含めて全部。
――これからの作品も楽しみにしています。
ありがとうございます、がんばります。
■『デスノート Light up the NEW world』
10月29日(土)全国ロードショー!
監督:佐藤信介
出演:東出昌大、池松壮亮、菅田将暉、川栄李奈/戸田恵梨香/中村獅童、船越英一郎ほか
http://www.deathnote2016.com
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社
(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
■受付期間:2016年10月28日(金)12:00〜11月3日(木・祝)12:00
■当選者確定フロー
・当選者発表日/11月4日(金)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから11月4日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。11月7日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
■キャンペーン規約
・複数回応募されても当選確率は上がりません。
・商品発送先は日本国内のみです。
・応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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・本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
・個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
撮影/祭貴義道 取材・文/新田理恵 制作/iD inc.
俳優として「リスクが高いことにひかれる」
――『デスノート Light up the NEW world』で、久しぶりに『DEATH NOTE』の世界をスクリーンで観て、今の時代にふさわしい形で蘇ったなと思いました。世界中にファンがいる作品の新作に、オリジナルキャラクターでの出演オファーが来たときの気持ちを教えてください。
やっぱりちょっと様子が違ったというか…。
――様子が違う?
昨今のメジャー映画とは何か違ったというか、ムチャしてる感じというか。いろいろ調べていくと、前作の『DEATH NOTE』2部作はマンガ原作の映画化の走りだったり、それから10年たって今や(マンガ原作の映画化は)当たり前になってますけど、いろいろ革新的なことを起こしてるんですね。
――確かにそうですね。
監督・キャストは変わりましたけど、プロデューサーは同じで、10年たって新しい革新的なことをやろうとしてるっていうことが、すごく伝わってきましたし、その熱意が受け取れたんです。ひょっとしたら大失敗するかもしれないこと、ひょっとしたらものすごく勝つ可能性があること、そういうリスクが高いことって、やっぱり俳優としてもひかれるので。すごくドキドキしましたし、「大丈夫かなぁ…」とも思ったけど、やってみたいなと思わされましたね。
――おっしゃるように、最近の映画は「これをやると当たるだろう」という安全パイで作られている作品が多い気がします。だから、ファンの多い『DEATH NOTE』を自ら超えようとするって、ただ事ではないですね。
ホントそうなんですね。原作に続編があるのなら、話はまったく別ですけど。
――世界的私立探偵でLの正統後継者・竜崎という役は、完全に新作のオリジナルキャラクターです。Lから繋ごうと意識した部分はありますか?
ホントにLが好きな人には多少わかると思うんですけど、その癖だったり、性質っていうものをあえてマネてる部分は結構あるんです。それ以外は、むしろ、真逆をやろうと思ってやっています。
――ビジュアルもLと違ってスタイリッシュでカッコいいですよね。このイメージは監督さんやスタッフさんと話し合って決められたのですが?
まず、Lをやるなら髪は長いほうがいいだろうと思って、ずっと伸ばしていたんですよ。
――それはどうしてですか?
なんでしょう? 勝手なイメージですね(笑)。Lというキャラクターが受けた要因のひとつとして、ちょっと中性的な部分があると思うので、中性的な見え方を考えた結果です。あと、『DEATH NOTE』の世界に、見たことある若手俳優(池松、東出昌大、菅田将暉)が3人並んでも面白くないですし、それだと『DEATH NOTE』になり得ない。松山(ケンイチ)さんがLを演じられたときは、眉毛を全部剃って、アイシャドウを入れて、ビジュアルから作り込んでいますし、そんな死神にも劣らないキャラクター性があったからこその『DEATH NOTE』だと思ったんですよね。
――今まで演じてこられた役からすると、池松さんには、リアルでナチュラルなお芝居をされる方という印象を持っていましたが、今回は全然違って、とても劇画的なキャラクターを演じてらっしゃいます。
そうですね。普段は役をキャラクター化することが一番苦手だったというか、やりたくなかったというか。でも、やっぱり『DEATH NOTE』っていう世界では、死神を凌駕しにいくようなキャラクターがいないと面白くないですし、普段やらないことをたくさんやりましたね。
――デスノート対策本部の捜査官・三島を演じた東出さんとふたりのシーンが多いですが、東出さんは池松さんとはタイプの違うお芝居をされる印象があります。東出さんをはじめ、まわりの方とのバランスも考えられたのでしょうか?
もちろん、真ん中じゃないときは全部考えます。今回も、東出さんがどういうふうにやろうとしているか、自分はどの領域までいけるかな、ということは一応考えてはいます。おっしゃるように、まったく違うタイプの俳優さんですし、それは菅田くんもそうなんですけど、それぞれ全然違うので、それぞれの領域でどこまでいけるか考えましたね。特に東出さんとのシーンでは、正義の貫き方というところで、三島と違うからこそぶつかり合う部分を楽しめたらいいなと思ってやっていました。
――サイバーテロリスト・紫苑(しえん)役で菅田さんも登場しますが、おふたりのゆる〜い会話劇『セトウツミ』を観たあとに、本作で世界の存亡をかけて戦っている竜崎と紫苑を観ると、不思議な気持ちになるのですが(笑)。やはり現場が違うと、お互いのお芝居のやり方も変わるものなのですか?
いや、たぶん菅田くんって、どこにいてもあんまり変わらないタイプで。僕も変わらないつもりではいるんですけど、やっぱり“気分”はあるので、現場やそのとき周りにいる人によって、僕はちょっとずつ違うと思います。
――世界中にファンのいる『DEATH NOTE』。もうじき、皆さんにお披露目することになるわけですが、完成作を見て手応えはいかがですか?
いやー、お客さんの手に渡る前に、あんまり自分で裁くことは止めようと思っているので。普段から。まだなんとも言えないです。
――ご自身の中でやりきった感があれば、世間の評価がどう出ても仕方はない、と?
それはもう、仕方ないと思います。自分で選択したことですし、批判もされる覚悟を持っていたからやれた役だったので。その覚悟を持っていなかったらやってなかったと思うし、逆にきわどい戦いだから面白がってる自分もいますし。やっぱり、僕が逆の立場でも、オリジナル作品に愛着があれば気になると思います。作品を愛して、Lを愛しているわけですから、そこに敬意が見られなかったときに「ふざけるな」ってなるのは当たり前ですし。だから、そこに対してちゃんと責任取らなきゃいけないなと思ってやったつもりで、それが伝わらなかったら自分のせいと言われても仕方がないです。
――本作に限らず、池松さんの中で、「この作品、勝負に勝てた!」と思えるケースって、どういう結果が出たときですか?
うーん。すべてがハマったときなんですけど、そんなことはまずないですからね。
――すべてがハマったとき?
やっぱり、自分ががんばっても作品がダメだとか、作品ががんばっても自分がダメだとか、いろんなことがありますからね。でも、そこには自分の理想とする思いもありますし。すべてがハマるなんて、なかなかないですね。
感情に振り回されないよう、あえてフラットに
――池松さんって、素顔がちょっとミステリアスですが、役のイメージもあって常に冷静沈着な印象があります。取り乱すこともあるんですか?
ありますねー。
――最近、どんなときに取り乱しましたか?
「『DEATH NOTE』の話が来てるよ」って言われたとき、取り乱しましたね(笑)。
――取り乱すとどうなるんですか?
いや、なんか、アワアワしました(笑)。久しぶりに動揺しました。それがあんまり、人に伝わらないだけで、自分の中では結構あります。人前で取り乱すなんてことを隠そうとしてる自分もいるので、伝わりづらいとは思います。
――あまり出したくないんですか?
うーん、なんかねぇ…。
――嬉しいことがあっても、情緒がわりとフラットなタイプなんですね?
たぶん、人よりはそうですね。でもそれって、実はあえてやってる部分もあって。俳優じゃなかったら、こうはなってなかったと思うんですよ。
――と言うと?
いろんな現場で、いろんな人と会って、いろんな場所で当たり前のようにお芝居をやらなきゃいけないんです。それって、ものすごく常識的なことをいうと、ちょっとぶっ飛んでますし、いろんな感情をコントロールしたり、いろんな感情を受けたりしてると、見失いそうになるんですよ、いろんなものを。
――見失う? 役を引きずってしまうということですか?
それも、ひとつあります。引きずるというか、役の感情に飲み込まれたりとか、人の感情を受けすぎたりとか、そういうことをやっていると、フラットな状態がどこにあったか忘れるんですよ。だから、なるべく人の感情に振り回されないようにしたいし、自分の感情にも振り回されないように、あえてフラットにしてる部分があるんです。
――俳優じゃなかったら、ものすごくひょうきんなタイプだったかもしれませんね(笑)。
それはあると思うんですよ、実は。多少バレてるかもしれないですけど(笑)。でも、さっきも言ったように、平気な顔して人前で演じることって、世の中的な普通に考えると、やっぱどっかぶっ飛んでる。それを当たり前にやる職業としては、どこか入ってくるものも、自分から沸き上がるものすらコントロールしなくちゃいけない。
自分が目指すところは、もうちょっと先にある
――大学を卒業され、俳優業一本にされてから3年ほど経ちました。そのあいだ、本当にたくさんの作品に出演してこられましたが、自分なりの仕事のペースはつかめてきましたか?
僕のベストのペースは、もっともっと、のんびりしてるというか…。でも、いずれそうなるための今なので。
――いずれはゆっくり、理想的な形でお仕事するために、今はちょっとがんばっておくという感じでしょうか?
そうですね。
――それはキャリアとして、もうちょっと足場を固めたいということですか?
足場を固めるというか、今やるべきことは全部やっておくということですね。どっかで、まだやっぱり焦ってるので…。
――飄々としてらっしゃるので、全然焦っているようには見えないです(笑)。
そうですか(笑)。焦ってるんです、意外と。
――焦りっていうのは、何に対してですか?
何なんでしょうね。いつまで生きられるかわからないですし、半年後どうなってるかわからないですし…。人には言ったことないですけど、やっぱり自分が目指すところはもうちょっと先にあるので。そこがあるからこそ、焦りがあるんでしょうけど。
――その「目指すところ」というのは、ここでは教えていただけないんですよね?
そうですね。言葉にできないというか、漠然としてますから。だから、ある意味、今のペースも自分のペースではあるんですよね。焦りも含めて全部。
――これからの作品も楽しみにしています。
ありがとうございます、がんばります。
【プロフィール】
池松壮亮(いけまつ・そうすけ)/1990年7月9日生まれ。福岡県出身。A型。トム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』で映画デビュー。その後『紙の月』、『愛の渦』、『海を感じる時』、『ぼくたちの家族』と数々の注目作に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。若手演技派として引く手あまたの存在に。今年に入ってからも『海よりもまだ深く』、『無伴奏』、『ディストラクション・ベイビーズ』、『セトウツミ』、『だれかの木琴』、『永い言い訳』が公開されている。待機作に、『映画「続・深夜食堂」』などがある。
池松壮亮(いけまつ・そうすけ)/1990年7月9日生まれ。福岡県出身。A型。トム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』で映画デビュー。その後『紙の月』、『愛の渦』、『海を感じる時』、『ぼくたちの家族』と数々の注目作に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。若手演技派として引く手あまたの存在に。今年に入ってからも『海よりもまだ深く』、『無伴奏』、『ディストラクション・ベイビーズ』、『セトウツミ』、『だれかの木琴』、『永い言い訳』が公開されている。待機作に、『映画「続・深夜食堂」』などがある。
■『デスノート Light up the NEW world』
10月29日(土)全国ロードショー!
監督:佐藤信介
出演:東出昌大、池松壮亮、菅田将暉、川栄李奈/戸田恵梨香/中村獅童、船越英一郎ほか
http://www.deathnote2016.com
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社
(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
■この記事を読んだ人にオススメ!
・「大事なことは自分で決めてきた」――佐藤 健と考える、人生を切り拓く方法
・山田孝之「役作りはミリ単位だった」――『闇金ウシジマくん』の撮影を終えた今、考えること。
・林 遣都の「にがくてあまい」10年――人知れず味わった挫折、新たな出会いがもたらした変化
★★池松壮亮さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント★★
今回インタビューさせていただいた、池松壮亮さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2016年10月28日
■受付期間:2016年10月28日(金)12:00〜11月3日(木・祝)12:00
■当選者確定フロー
・当選者発表日/11月4日(金)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから11月4日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。11月7日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
■キャンペーン規約
・複数回応募されても当選確率は上がりません。
・商品発送先は日本国内のみです。
・応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
・応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
・商品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
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