楽天は、IT・ウェブテクノロジの革新的進化や一般社会への普及に寄与した団体や個人を表彰する「楽天テクノロジーアワード2016」における受賞者を発表した。今年で9回目となる同アワードは、2016年に最も技術の発展や成長に貢献した個人や団体を選出するもので、22日に開催した「楽天テクノロジーカンファレンス2016」において発表した。

金賞受賞者は日本アイ・ビー・エム 東京基礎研究所 技術理事 博士(工学)武田 浩一氏。IBM Research(基礎研究部門)における長年にわたる自然言語処理やテキストマイニング研究、自動翻訳、知識発見、自然応答などの基盤で成果を上げ、IBM Watsonの医療をはじめとした各分野への発展に大きな寄与をもたらしていることが受賞理由となっている。

銀賞はオープンソースのインフラ自動化ツール「Chef」をはじめオープンソース技術の発展に深くコミットするChef Software, Inc.。Chefが持つITインフラ自動化が高く評価されており、ITシステム構築、展開の容易な自動化や展開スピードや安全性の強化や世界中の何万にものぼるユーザーのIT環境の安全な運営への貢献と創業以来8年以上貢献が評価されている。

同じく銀賞のSpotify Technology S.A. アジャイルコーチであるジョナサン・ラスマセン(Jonathan Rasmusson)氏。同氏はアジャイル開発の草分け的企業と評されるThoughtWorks社でアジャイルコーチとして活躍。2010年に著書である「The Agile Samurai」を発売、日本語訳「アジャイルサムライ」(オーム社2011年7月発行)も刊行されている。開発者の立場から要件定義を的確に問う手法「インセプションデッキ」をはじめアジャイルの概要を幅広い読者に広めた。同氏は現在も組織的なアジャイル開発を行うSpotify社で指導しており、第一線に立って新たな道を切り開いている点が評価されている。

ルビー賞は「人工知能は私たちを滅ぼすのか」(ダイヤモンド社2016年3月発行)の著者児玉 哲彦氏。同書において、ノイマン型コンピューターの開発からインターネットの登場、AI(人工知能)の発展の歴史的流れとIoTや人工知能がもたらす社会をわかりやすく解説。人工知能の発展が加速する時代の技術革新だけに留まらず人間の在り方や社会の在り方を考えるきっかけを提起している点が高く評価。

同じくシャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー通信システム事業本部 コミュニケーションロボット事業推進センター 商品企画部チームリーダー景井 美帆氏がルビー賞を受賞。景井 美帆氏は、ロボットクリエイターの高橋 智隆氏とともにRoBoHoNを世に送り出したプロジェクトリーダー。ケータイ+ロボットという形で実際販売された製品でありながら、加えてAI技術を利用したパーソナルアシスタントであり、カメラとプロジェクターの双方を持つシャープの技術が結集した製品でもあるとし、その課題定義力とチャレンジ精神が高く評価されている。

(長岡弥太郎)