Q:40年間勤めた会社を今年定年退職しました。これからは趣味の草野球をして悠々と年金生活を送れます。地域の小学校野球チームの監督を頼まれました。やりがいも感じていましたが、退職後、半年も経たない頃から不眠症になりました。睡眠薬も効きません。どうしてこんな状態になってしまったのでしょうか。薬はこれ以上増やしたくありません。アドバイスをお願いします。
(60歳・無職)

 A:お察しするに、仕事も趣味の野球も両立され、充実した会社勤務時代であったと思います。退職されて何が変わったでしょうか。ノルマに追われる仕事がなくなり、意気込んで趣味に没頭されたわけです。ストレスなどないはずですね。
 けれど、ここに落とし穴があります。仕事のストレスは、負のストレスが多いのです。顧客からの無理な要求やクレーム、上司の現場を無視した結果至上主義などは、多かれ少なかれあるものです。
 しかし、その負のストレスの解消のために、日曜日の草野球が楽しかったのです。今は、負のストレスがなくなったことで、その楽しいはずの草野球やその監督業がストレスになっていないでしょうか。趣味や楽しいことも、ストレスになることがあります。特に、それだけをするような場合には要注意です。
 ご質問の方の場合、野球が仕事にとって代わったといえるでしょう。

●趣味もストレスに
 ボランティアでしている草野球監督が、仕事のようにノルマになっていないでしょうか。走り込み過ぎて膝にきていませんか。なんであれ、一生懸命過ぎることに心身が疲れてしまっていないか、自分でチェックしてみてください。また、野球とは別の趣味を持つのも一つの方法でしょう。1人でできる趣味は、他人に対して責任を持つ必要がありません。没頭できる趣味を持つことによって、野球に対する情熱や責任感が半減する効用もあるでしょう。
 以上のように対策することで、ストレスを軽くすれば、不眠は自然と解消できるはずです。時間は少しかかりますが、薬への依存が減り、以前のように飲まなくても寝られるようになるでしょう。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。