朝鮮中央テレビは、北朝鮮の女性が胸に韓国アニメ「ポンポンポロロ」のキャラクターぬいぐるみを抱えている様子を放映した(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)

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北朝鮮の朝鮮中央テレビに、韓国のアニメキャラクターのぬいぐるみを持った女性が登場し、韓国で話題を集めている。しかし、これが「いわくつきのアニメキャラ」だった。

韓国で大人気のアニメキャラ

今月20日の午後6時30分ごろ、朝鮮中央テレビは「偉大なる思想、輝かしき現実〜最上の文明を最高の水準で〜」というタイトルで、約25分間の特集番組を放送。

金正恩党委員長が建設させた平壌市内の様々なレジャー施設を紹介し、「北朝鮮では、社会主義文化が開花、発展し、人民が高い創造力と文化水準を持ち、最上の文明を最高の水準で創造、享有する国だ」などと宣伝する、よくあるプロパガンダ番組だが、このなかで、注目すべきシーンがある。

平壌児童百貨店の遊び場で、子どもたちが楽しく遊んでいる。それを見守る女性の一人が、韓国のアニメキャラクター「ポンポンポロロ」(原題:ポロンポロンポロロ」)のぬいぐるみを抱きかかえているのだ。

ポンポンポロロは、韓国のEBS(教育放送)が企画し、2003年から放送が開始した。日本でも、フジテレビの「ポンキッキ」、ディズニージュニア、GYAOなどで放送されている。実はこのアニメ、韓国制作だが、北朝鮮も一部作品の制作に関わっているのだ。

制裁対象にも

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、このアニメは「ちゃめねこディンガ」に続き、南北朝鮮が共同制作した2本目の作品で、第1シリーズ52回のうち、12回は北朝鮮の三千里総会社が制作を担当した。

そして、愛らしいキャラクターの登場するこのアニメが、米国政府の制裁対象となるのではという疑惑が浮上していた。

RFAは2011年6月、米国政府が対北朝鮮制裁行政命令8271号の施行令を発布したことを伝え、「ポンポンポロロ」は制裁対象になると報じた。

同法令には、北朝鮮製の完成品、部品、技術で制作したすべての製品の米国への輸入を禁じるという条項があるというのがその根拠だ。

これに対して米財務省の外国資産管理室(OFAC)が、アニメを含む映像は「情報」に分類され、制裁の法的根拠になる国際緊急経済権限法(IEEPA法)には抵触しないので、制裁の対象とならないと発表したことで、騒動は一段落した。

一方、米国の制裁を逃れたにもかかわらず、制作に関わった北朝鮮で「ポンポンポロロ」は放送できないという。

脱北者で、北朝鮮の4・26児童映画撮影所の元職員のチェ・ソングクさんは、韓国のJTBCの番組で、「ポンポンポロロ」は首領(金氏一家)に対する思想教育的な要素が全くないため、北朝鮮では絶対に放送できないと述べた。