■柳田将洋インタビュー・前編

 2016/17男子V・プレミアリーグが10月21日(土)に開幕する。リオ五輪に出場できなかった日本男子バレーは、ここから東京五輪に向け、新たなスタートを切ると言ってもいいだろう。

その開幕直前、昨年のワールドカップでブレイクし、五輪最終予選でも奮闘。東京五輪でもキーマンになるであろう柳田将洋選手(サントリーサンバーズ)にインタビューした。Vリーグデビューとなった昨シーズンは、リーグ7位で入替戦に回るなど、チームも個人としても苦戦したが、今季は同じ轍は踏まないと、意気込みを見せる。そして、話は全日本の活動や石川祐希選手のイタリア行きなどへと広がっていった。

──V・プレミアリーグ開幕が近づいてきました。今のチームの調子はいかがですか?

「新しい選手もブラジル人コーチの指導も入って、いい雰囲気でチームもできあがりつつあります」

──柳田選手個人として、調子はどうですか?

「去年と比べて、サントリーで調整する時間をかなり長く作ることができたので、体作りをしたり、選手間でのコミュニケーションをとったりとか、今年の方がじっくりいろいろとできました。そういう意味で、僕自身もいい調子かなと思います」

──昨シーズン、入替戦に回ってしまった理由をどう考えていますか?

「理由は......自分たちは攻撃を強みとしていながら、では、それをどうやって生かしていけばいいかという戦術的な部分が明確になっていなかったと思う。そこが去年よりは明確になっているので、昨季よりは自信を持ってリーグに臨むことができます」

──昨年、Vリーグデビューで戸惑ったところはありましたか。

「代表戦と違いはあんまりなくて......。国内リーグもレベルが高いと僕は思っていて、実際厳しい戦いでした。そういう意味ではV(リーグ)も勉強になる。毎試合毎試合いい経験をさせてもらっているなと思っていました」

──リーグ開幕に向けて一番力を入れているのは、どういうところになりますか?

「やっぱりコミュニケーションをもっととらなければ。言いたいことをもっと言い合っていかなければならないと思います。去年はまだ遠慮するところがあった。でも今は、しっかりチームの中で主張していくことが大事だと言い聞かせています。そうすることで、僕自身が何を考えているか、だんだん理解してもらえる。

 技術面ではレシーブを課題と考えていますし、戦術面では、(監督に)言われたことをきちんとできるようにしないと」

──チームでの役割として、柳田選手はどんな部分を求められているのでしょう?

「コートに誰が立つかによって、若干変わってくると思いますが、守備よりは攻撃を期待されている立場だと思っています。対角になる選手や指示された内容によって変わってくるでしょうけど。基本は守備メインではなくて、攻撃。攻撃で結果を出せなければ、このポジション(レフト)に置いてもらえないという意識はあります」

──9月頭に行なわれた近畿総合大会では、オポジット(サーブレシーブをしない攻撃専門のポジション)でプレーしたそうですが。オポジットって、これまでもやったことはあるんですか?

「いや、あんまりないですね。試合通じてオポジットで出たのは初めてで。決勝だけだったので、体力面とかいろいろあった」

──初めてのオポジットはおもしろかったですか? 

「まあ、おもしろかったと言えばそうなんですけど、できれば守備も、レセプション(サーブレシーブ)に加わりたいと思いながらやっていました。本来、自分は(レフトで)そういうポジションですから」

──チームとしての課題、リーグ戦までに仕上げていきたいところは?

「チームとしてやっている戦術的な部分をもっと自然にできるように、考えて動くんじゃなくて、体が自然に動くようにまで練り上げたい。それが当たり前のように動けるような。その方がチームとして一枚岩になれると思う。僕自身もそうですし、チームもチャレンジしている最中です。そこを調整して開幕に臨みたいですね」

──戦術の内容は......。

「それは......企業秘密ですね(笑)」

──ジルソン・ベルナルド監督によく言われていることはありますか?

「ジルソンはミスに厳しいので、ミスが重なったりしたら、そういうミスはよくないとか、ミスをしないためにはどうしたらいいのかを指摘してくれる。それで自分もミスに対する意識を高めて、状況の悪い場面でトスが上がってきたときの対処の仕方などは、神経を使ってやっています。『ミスをどうやってしないようにするか、考えろ』とよく言われますね」

──ジルソン監督は、モチベーションを高めるのが上手な監督ですよね。

「確かに気持ちの面をよく言うタイプの監督ですけど、今年はそれだけじゃなくて、もっと技術面、戦術面での指摘が増えてきましたね。去年も言ってくれてはいましたけど、僕らも監督にもっと言ってほしいという希望を出したりしました。その方が僕らも監督が何を考えているかを理解しやすいから。そのせいかはわからないですけど、戦術的な指摘が増えてきました。いいことだと思います」

──マークするチーム、やりにくいチームはありますか?

「マークしているのは全部。ただ、初戦が東レ(アローズ)さんなので、それは意識しています。初戦勝つということはかなり大事だと思うんですよね。だから今は東レさん」

──去年は豊田合成トレフェルサ1強という状況でしたが。やりにくい意識はありますか?

「(豊田合成は)しっかり自信を持って、やることをやっているイメージがあります。自分たちの正しさを信じてやっている。僕らがそれに対抗するには、まず、僕たちも自分たちのやることをしっかり自信を持ってやること。そのうえで『対合成さん』という意識が出てくるし、相手なりの戦術などが必要になってくる。僕らもそれを見習うじゃないですけど、いいところを吸収していきたいですね」

──豊田合成のアンデッシュ・クリスティアンソン監督は、何かというと柳田選手を引き合いに出してコメントされていますが、それについては?

「別に何も気にしていませんよ。本当に」

(つづく)

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari