東京都多摩総合医療センター脳神経内科の外来担当医は、さらにこう説明する。
 「心と身体は、ストレスを乗り越えることで鍛えられます。ストレスが過剰にならないように自分の意思で調整することで、緊張とリラックスのバランスが取れた生き方ができるのです。そういった生活を送れば免疫力もアップします」

 最近では、冷えや低体温と病気の関係も注目されている。こうした身体の冷えについても、別の医師は次のように語る。
 「白血球は、体温が高い時に活性化します。風邪をひいたときに熱が出るのは、白血球を活性化させてウイルスと戦わせるためなのです。身体の冷えは、血行不良の証。免疫力は低下してしまいます」

 他にも、睡眠不足や運動不足、過食も免疫力を下げる原因となる。とくに睡眠不足は、脳や肉体の疲労をもたらし、ホルモンバランスを壊してイライラの原因にもなる。運動不足も、筋肉量の低下や血行不良に陥った揚げ句、冷えや低体温の原因となり、同様に免疫力を低下させると考えられる。一方、過食は高血糖をもたらし、白血球の働きを鈍くさせた上、免疫力を低下させるという。

 さらに「腸は神経細胞を多く分泌しており、重要な免疫細胞器官」と言うのは、医療ジャーナリスト。
 「免疫系に関しては、全身のリンパ球の60%以上が小腸に集中しています。腸は人体で最大の免疫器官であり、この免疫系を『腸管免疫』とも呼ぶ。腸管免疫には腸内細菌が関係していて、その状態がよければ腸管免疫は高く、逆に悪ければ低下してしまう。腸管免疫を左右するのはズバリ、食生活です」(同)

 最後に、免疫力を高める鉄則をまとめていこう。
 東京都健康長寿医療センター病院の医師は、こう話す。
 「大きく3点を挙げると、まずストレス対策、二つ目が冷えと低体温対策、三つ目が食生活の改善。慢性的にストレスを感じている人は、少しでも対処することが求められます。その一方で、ダラダラし過ぎない生活で免疫力を高める。例えば、ストレスのある生き方とは、頑張り過ぎていたり、イライラしていたり、悩み過ぎている生き方をしていること。そのような生活をしていないか、自分でチェックしてみてください」

 次に、冷えや低体温についてもこう話す。
 「定期的な運動が最も重要です。ほか、半身浴や冬には湯たんぽやカイロを使って身体を温めるのもいいでしょう。さらに、心の冷えが身体の冷えにもつながる。怒りや感情、悲しみや緊張などで心が冷えていると、交感神経の緊張につながり、血管が収縮する。そのため血行不良から身体が冷えてしまいます。笑顔が出れば人にも優しくできるし、心も身体も温かくなるのです」(同)

 そして、食事ついてのアドバイス。
 「肉や乳製品、油を多用する欧米型の食事は、腸内環境を悪くする。逆に、発酵食品や食物繊維の多い伝統的な日本の食事を中心にすると、腸管免疫を高めます」(同)

 免疫力の低下はあらゆる病気の原因になる。今からでもぜひ、高めるための生活を実践しよう。