増える個人情報窃盗、被害は金銭以外にも 米報告書

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米国の個人情報窃盗防止研究センター(Identity Theft Resource Center、ITRC)が先ごろ発表した年次報告書によると、個人情報の窃盗被害に遭った人が被る被害は、雇用や住居、教育の機会にまで及んでいることが分かった。

報告書によると、「多くの被害者たちは自分たちにとって大切なこと、例えば趣味や休暇、家族と一緒に過ごす時間などを犠牲にしたと訴えている」という。また、「…個人情報盗難の被害に伴う経験には、無力感、いら立ち、恐怖が含まれるということが示された」

ITRCのエバ・ベラスケス所長によれば、「セキュリティー機能が強化される一方で、米国人が複数の機器でほぼ全面的にモバイルやワイヤレスに移行していることで、こうした被害に遭う可能性はさらに高まっている」という。

所長は、「自分自身を守るための方法を全く知らずに公共施設のWiFiスポットや一部のアプリ、ソーシャルメディアなどをモバイル機器で使えば、問題が起きる可能性はある」と話す。

報告書には、以下のような調査結果が示されている。

・ 調査対象者の20%近くが、何らかの形での個人情報盗難の被害を報告した──被害者の55%は「欠勤するなど仕事に影響が出た」、44%は「就業機会を逃した」、29%は「生活保護や食料支援など、行政の支援を求めた」

・ 盗難被害に遭った結果、被害者は以下を強いられた──「借金」(35%)、「所持品の売却」(25%)、「転居」(23%)、「その他の行動への制約」(39%)

・ 州税・連邦税など行政制度に関連した被害に遭った人は、調査対象者の44%に上っている

・ 被害に遭った人の46%は、使用する金融機関を変更した

・ 被害に関連して、以下の症状が報告された──「ストレス」(74%)、「不安障害」(60%)、「集中力の欠如」(39%)、「体の痛み、動悸、発汗、胃のトラブルなど過去になかった症状の発症」(29%)、「睡眠障害」(41%)、「身体症状による欠勤や休職」(10%)

被害を防ぐ方法

窃盗犯たちにとって重要なのは、あなたのPCそのものよりも、そこから探り出すことができるあなた個人に関する情報だ。

セキュリティー問題の研究者は、PCが盗難に遭ったら取るべき行動として、以下を挙げている。

・ すぐに警察に通報する

・ 可能な場合には、遠隔データ消去を行う

・ 銀行とクレジットカード会社に連絡する

・ 端末にパスワードを保存したことがあれば、全てのオンラインアカウントのログイン認証情報を変更する

保存しているデータを守るためにはまず、強力なパスワード(合わせて12またはそれ以上の文字と数字、シンボルを使い、単語は含めない)を選ぶことだ。また、ハードドライブを暗号化すること、できれば盗難に遭ったり紛失したりした場合に備えて、遠隔データ消去を行うためのソフトウエアをインストールしておくことも必要だという。

ベラスケス所長は、どんなに注意しても被害を完全に防ぐことは不可能だとした上で、「消費者が自らを守るために取り得る行動のうち最も重要なことは、共有する個人情報の量を抑えることだ。…カギを握るのは、個人情報を自分自身で守るためのそうした行動だ」と指摘している。