タイ人サポーターたちが掲げたタイ代表の巨大フラッグ

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 プーミポンアドゥンヤデート国王陛下の崩御で揺れるタイ。スポーツではサッカー人気が熱いタイにもプロリーグ「タイ・リーグ(PLT)」があるが、運営側は国王への哀悼の意を示すため、いち早く残っている今シーズンの全試合の中止を決定した。

 そんなタイで、先月6日、ワールドカップ・アジア最終予選として、バンコクでタイ代表と日本代表の試合が開催された。あれから1ヶ月半、改めてタイのサッカー代表の実力を現地在住のサッカー関係者2人に聞いてみた。

 前回は、タイリーグを巡る現状とタイ特有の事情による育成環境の違いについて焦点を当てたが、今回はリーグを支える観客という面から見てみたい。

 インタビューに応じてくれたのは、PLTの人気チーム「チョンブリFC」でマネージメントを担当していた小倉敦生氏と、タイ発で唯一の日本人向けPLT情報サイト「SAMURAI×TPL」の代表、浜崎勇次氏だ。

 小倉氏は長年PLTに関わり、実父は日本サッカー協会第12代会長の小倉純二氏である。浜崎氏は、Jリーグを除いて最も日本人選手が多く活躍するプロリーグであるPLTの情報を2011年から提供しており、サッカーファンだけでなく選手や関係者も注目するサイトを運営している。

 タイサッカーと日本サッカー双方を知る2人が語る、タイサッカー界の将来性とは?

 9月に行われた日本代表戦も日本のメディアではかなり盛り上がっているとはされたが、実際は日本で報道されているのとはやや事情が違ったようだ。

――当日は実は結構空席が目立っていたとか?

小倉:チケットは完売したようですが、あの日は雨も降ったため来なかった人も多かったようで満席ではなかった。それでも、公式発表では4万人以上来ているはず

浜崎:タイのホームなのでもちろん会場は日本人よりもタイ人が多かったですね。タイ人は通路や階段にも座るから、上の方は結構空いていて、ゴール裏は人がびっしりといた。だから、テレビでは満席に見えたかもしれないです

小倉:国際大会はホームとアウェイが分けられていて、全体の8%がアウェイ席になります。だから、日本人が少ないのは当然でしょう。別にアウェイのサポーターがホーム側に座ってもいいので、タイ在住日本人はそこにいたかもしれません

浜崎:タイ人は自分たちの周囲に外国人がいても排除する人たちではないですからね

――選手だけでなく、タイ人サポーターはどうだったんでしょうか?

小倉:日本から来たサポーターはタイの応援の仕方などにみんな驚いていました。タイ人サポーターは日本でもやっていないことを海外から積極的に取り入れています。タイ人はその点はおもしろいんですよ。柔軟性がある

浜崎:メディアでは発煙筒に火を点けて騒ぐサポーターがいて、多いに盛り上がっていることを強調していました。確かに日本戦はかなり盛り上がっていましたが、規模は小さいけどあれはいつもやっていることなんですよ。会場にもよるがリーグでは毎試合あんな感じで、今回たまたま注目されただけじゃないかと。また、コアサポとはまた別にウルトラと呼ばれる熱狂的なファンたちが各チームに20人くらいいます。代表戦は各チームのウルトラが集まったので、大きな規模に見えたのかもしれません

――タイでも日本代表は人気があるんでしょうか?

小倉:注目はされているかもしれませんが、日本代表だから人が入っていたわけではありません。最近のタイではタイ代表戦自体がドル箱になっているんです。韓国との親善試合でさえ完売するなど、非常に人気があります

浜崎:若い選手が多く、代表選手に投資する人も現れています。ヘアカットやスタイリングにもスポンサーが付いてファッショナブルになってきました。今までなかったことがタイ・サッカーでも始まっているという流れを感じます