ペットの「終生飼養」が動物愛護管理法で明文化された。そんな中、飼い主とペットの高齢化が進んでおり、「老犬ホーム」も広がりつつある。

 動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)が改正され、平成25年9月1日より施行された。これにより、ペットの飼い主に、その一生について最後まで責任をもって面倒をみる「終生飼養」が努力義務として明文化された。同時に、都道府県などが「犬や猫などを飼いきれない」など、飼い主の一方的な理由で引き取りを求めてきた場合、これを拒否できるようになった。

 そんな中、アイペット損害保険株式会社は「ペットの終生飼養に関するアンケート調査」を実施し、その結果を9月15日に発表した。調査対象は50歳以上の犬猫飼育者534名で、調査時期は8月25日。

 ペットの平均寿命が延びる一方で、飼い主の高齢化も進んでいる。そこで、「自身に万一のことがあった場合に備え、ペットの預け先等を想定しているか」と聞いたところ、33.1%の飼い主が「想定していない」と回答した。「想定している」と回答した66.9%の飼い主に具体的な相談先や預け先を聞いたところ、「家族」が86.3%で最も多かった。そのほかでは、「かかりつけの動物病院・トリマー」(14.6%)、「愛護団体」(7.0%)、「行政機関」(3.1%)などが続いた。ペットを大切にする理念は定まったものの、いざという時には家族に頼らなければならないのが現状のようだ。

 こうした状況を受け、最近では老犬を預かって終生まで世話を代行する「老犬ホーム」も誕生している。老犬ホーム・介護情報サービス「老犬ケア」を運営するリブモ株式会社が10月4日に発表した「老犬ホーム利用状況調査」によると、8月末時点の老犬の入居頭数は、回答を得た29施設の合計が465頭だった。7月末は回答を得た23施設の合計が407頭。わずかではあるが、サービスが広がりつつあるようだ。

 ただ、その料金は施設によって差が大きい。同社が5月に発表した、「老犬ホーム利用料金調査」によると、料金が判明した66施設の年間利用料金の全国平均は56万6,407円で、最高額は162万円、最低額は23万円だった。また、全体の45.5%に相当する30施設で入所の際に入所金が必要で、その平均は15万7,545円、最高額は162万円、最低額は1,080円。全体の37.9%に相当する25施設では入所時に保証金・医療費が必要で、その平均は8万896円、最高額は36万円、最低額は2万円だった。

 今後は「終生飼養」の浸透と同時に、老犬ホームなど新たなサービスが期待される。ただ、料金やサービス内容は事業所によって大きく異なるため、利用時にはその内容をよく確認する必要がありそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]