【今さら聞けない】ワックスとコーティング剤の違い

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効果はもちろんツヤにも違いがある

愛車のボディケアに欠かせないのが、ワックスだろう。ツヤを出すだけでなく、酸性雨や汚れなど、さまざまなモノから塗装を守る目的もある。とにかく効果が途切れることなく塗ってやりたいのだが、よく見るとワックスとコーティング剤の2種類があることに気づくハズだ。

どちらもボディに塗るもので、効果も同じだけに、すべてワックスという人もいるが、きちんと区別はある。それは成分である。固形に代表されるワックスというのは基本的に油性。カルナバロウなどを主成分にしたもので、表面にはただ付着するだけ。ちなみに液体ワックスや半ネリは水性のことがあるが、これも油分を乳化されるなどして作られているので、固形同様に油性ではある。

ワックスの長所としては、自然な輝きだろう。とくに純度の高い高級カルナバロウを配合したものは、濡れたようなツヤが楽しめる。一方、短所は効果があまり持続しないことと、雨などで流れ落ちてウインドウに付着し、ギラギラとした油膜になるだ。

では、コーティング剤とはなにかというと、こちらは化学薬品だ。ワックスがただ塗装面に付着しているのに対して、コーティング剤は電気的に塗装面に付着したり、硬化させることでとても硬い被膜ができたり、もちも1年以上と耐久性にも優れる。また強力に撥水させたり、逆にベタっと親水させたりもできる。つまり効果は自由自在といっていい。

短所はあくまでも化学合成されたものなので、ツヤが人工的な感じになってしまうこと。代表的なガラス系は透明感あふれるクリアなツヤは出るが、濡れたようなしっとりとした感じではない。最近ではカルナバロウを配合したものも出てきてはいるが、ツヤは今後の課題だろう。

もちろんどちらがいいとか悪いとかではない。たとえばほとんど手入れをしないのに、固形ワックスを塗ってもクルマがかわいそうだったりもするわけで、使い勝手も含めてそれぞれの持ち味を確認して、自分にあったものを選べばいい。(文:近藤暁史)