オーストラリアで2004年に発掘されていた恐竜化石が、これまでに見つかっていなかった新種の種別のものであることが確認されました。学名「Savannasaurus elliottorum」と名付けられたこの恐竜は、頭から尾の先端までが14メートル程度あり、お尻が非常にワイドになっているという特長を持っています。

New Australian sauropods shed light on Cretaceous dinosaur palaeobiogeography : Scientific Reports

http://www.nature.com/articles/srep34467

A new dinosaur species has been discovered in Australia - The Verge

http://www.theverge.com/2016/10/20/13351870/new-dinosaur-species-savannasaurus-australia-discovery-titanosaur-sauropod

新種であることが確認されたSavannasaurus elliottorumは、長い首を持ち四足歩行する恐竜で、草食動物であったと考えられているもの。化石が発見されたのは2005年のことで、10年におよぶ研究の結果、これまでに発見されていなかった新種であることが確認されました。この恐竜と、別のティタノサウルス(竜脚類恐竜)の化石についての研究結果を記した論文が、オンライン科学誌の「Scientific Reports」で発表されています。



この化石を発見したのは、オーストラリア在住の古生物学者で、論文の共同執筆者でもあるDavid Elliot氏です。よく見ると、恐竜の学名「Savannasaurus elliottorum」はElliot氏の名前をもとに決められていることもわかります。Elliot氏は、この新恐竜の化石が収蔵される予定の博物館「Australian Age of Dinosaurs Museum of Natural History」の共同創立者でもあるとのこと。

化石が発見されたのは、オーストラリア北東部に位置するクイーンズランド州ウィントンで、Elliot氏が家畜の世話をしていたときに地表に現れていた化石を見つけたことから数々の化石が発見されることにつながったそうです。オーストラリアで恐竜の化石が発見されることは非常に珍しいことからも、今回の発見は貴重なケースと捉えられており、アメリカ・ペンシルバニア州にあるカーネギー自然史博物館の学芸員であるMatthew Lamanna氏は「オーストラリアの恐竜そのものが非常に貴重で、化石が発見されたとしても細かい破片しか見つからないことがほとんどです」と語っています。

骨格を分析したところ、この恐竜は体長が14メートルあり、体重はおよそ18トンに及んでいたと考えられています。歯の化石からは、この生き物が草食動物であったことが明らかにされています。



これらの化石の発見は、一体いつ、どのようにして恐竜がオーストラリアに到達したのかという議論を巻き起こすことにつながっています。Savannasaurus elliottorumが現在のオーストラリア大陸に生息していたのは、白亜紀に属する9500万年前から9800万年前だと考えられており、研究者の中には、これらの恐竜が当時はオーストラリア大陸とつながっていた南米大陸から南極大陸を経てやって来たと考えています。

論文の主執筆者であるStephen Poropat氏によると、白亜紀の頃は南極大陸は気温が低く、草食動物が移動することは不可能だったとのこと。しかし、約8000万年続いたとされる白亜紀の時代でも温暖な時期があり、これらの恐竜たちは気温が上昇した頃に南極大陸を通ってオーストラリア大陸へと移動してきたものと考えられています。



今回の発見は、オーストラリアで恐竜の化石が見つかったという珍しいケースだったわけですが、専門家によると今後もさらに新たな種別の化石が発見される可能性もあるとのこと。前出のLamanna氏は「オーストラリアにはまだまだ発見されていない『恐竜たちの失われた時代』が残されています」と話しています。