結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATIONは、往年のヒット曲を惜しげもなく披露した

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8月26日から28日までの3日間、山梨県・山中湖交流プラザ きららにて開催された「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2016」。8月28日に行われた3日目後半の様子をリポートする。

【写真を見る】矢沢永吉のライブでは、タオルが舞うお馴染みの光景が!

FOREST STAGEを埋め尽くすような人だかりが待ち受ける中、登場したのはSuchmos。お馴染みのジャージ姿で登場したYONCE(Vo)は、客席を指差して観客を喜ばせていく。

「ピース! 神奈川の海沿いから、良い波持ってきましたSuchmosです。人いっぱいじゃん! 楽しんでる? 俺の地元・茅ヶ崎の、国道134号線に吹く風の歌を歌います」(YONCE)という言葉と共に、ライブは「Pacific」からスタート。

音源よりも幾分タメの効いた、メロウかつねちっこいグルーヴで、詰めかけた観客を一瞬にして海沿いの空気へ誘っていく。続く「Get lady」では、一転して跳ねたビートでダンサブルなノリへ大胆にアレンジ。YONCEも「揺れよう!」と観客を促していく。

YONCEがThe Beatles「Come Together」の一節を口ずさんだりと、ラフな雰囲気ながらもアレンジのアイデアは豊富。彼らがライブを通じて日々成長し続けていることを見せつけていく。

そのままメドレーのような形で披露された「YMM」では、サビで観客が一斉に手を掲げるという光景も。昨年リリースされたアルバムの楽曲が、この一年ですっかり“アンセム”となったことをうかがわせる。

「暑いな! 涼しいと思ってたのに。おかげさまで、良い汗かかせてもらってます」と語ったYONCEは、そのままトレードマークのジャージを脱ぎ捨てる。そんな様子にも歓声が沸き起こる。

「去年も湖畔のステージに出させてもらって。その時すごく良い風が吹いてたんだけど、ことしもすげぇ良い風吹いてます」(YONCE)と、このシチュエーションでのライブに満足げ。「STAY TUNE」では、クールなサウンドで観客を踊らせていく。

「あっという間でした。次で最後の曲です」と語ったYONCEに、観客からは「えーっ!」という声が。それに対しYONCEは「それ聞きに来てるとこあるよね(笑)」とニヤリ。

そして、「このジーンズ、まだまだ青いんだけど、小6の時兄貴からもらったヤツなんだよね。今日も兄貴が来てるんだけど、これをずっとボロボロになるまで履き続けて行きたいと思ってます。次の曲もそんな感じでずっと歌っていきたいと思います」という言葉と共に「MINT」を披露。

タイトル同様、爽やかなナンバーでライブを締めくくった彼ら。YONCEは「気持ちいい風をありがとう!Suchmosでした!」と言い残し、颯爽とステージを後にした。

3時台のMt.FUJI STAGEには米津玄師が登場。入場規制寸前の大入りの中、熱いライブを見せていた米津だったが、突然のどの不調に悩まされることに。上手く声を出せない状況に苦しみながらも、一つ一つの曲を気持ちを込めて観客へ届けていく。

「アイネクライネ」では、サビのほとんどを観客に委ねる場面も。すると、観客もそれに応え一大シンガロングに発展。それぞれの声を通して、全力で米津を後押しする。

その後のMCで、米津は「こんなに声出なくなるの生まれて初めてなんだよね。何でこんな大事な日に声出なくなるんだろ」と悔しさを口に。そして「みんな支えてくれますか? 本当にありがとう。なんか、生きてて良かった」と、温かい後押しに感激した様子。

「次の曲も支えてくれるのはうれしいんだけど、次新曲なんだよね(笑)。だからみんな多分歌えないと思うんだけど、何となく歌ってくれたらありがたいです」という言葉と共に披露したのは「LOSER」。観客はその場でコーラスでついていき、感動的な光景を生み出していた。

終盤は「パンダヒーロー」「ドーナツホール」と畳みかけ、何とかステージを全うした米津。支えてくれた観客への感謝と共に、「まともに歌えなくって申し訳なかったです。来年もまた来たいです。そのときにリベンジさせていただけたらなと思います」と明かし、早速来年の参戦をアピールした。

湖畔に構える小さなステージ・WATERFRONT STAGEには、never young beachが登場。サウンドチェックを兼ねて2曲演奏した後、ライブは「夏のドキドキ」からスタート。急激に霧がかり冷え込み始めたステージ周辺に、再び夏を呼び戻すかのように、集まった観客へ爽やかなナンバーを聴かせていく。

「Motel」では、観客から自然と手拍子が沸き起こるなど、楽曲の持つ緩やかなノリにすっかり心を許している様子。すると安部勇磨(Vo・Gt)から「みんな立っていいよ! ピョンピョン跳ねようぜ!」と促す声が。

その言葉を待っていた観客は一斉に立ち上がり、披露された「あまり行かない喫茶店で」で大盛り上がり。さらに「今日一番楽しくしようね!」という言葉から「どうでもいいけど」になだれ込むと、ステージ前のボルテージはどんどん上昇。観客は気持ちよさそうに体を揺らしていく。

ここまで持ちこたえてきたものの、とうとう雨粒が落ち始める中、ラストは「お別れの歌」で終了。最後はメンバー一同最前列の観客とハイタッチして撤収するなど、短い時間ながら集まった観客を大いに盛り上げた。

ついに雨が本降りとなり、カラフルなレインコートがステージ前を埋め尽くす中、Mt.FUJI STAGEに現れたのは上原ひろみ。当初はアンソニー・ジャクソン(Ba)、サイモン・フィリップス(Dr) とのトリオ編成を予定していたが、二人が健康上の問題で来日を断念する異例の事態に。

そんな中立ち上がったのがレキシ! 彼のバンドメンバーを従え、「上原ひろみとレキシ〜レキシが助けにやってきた〜」名義での出演が決定。一体どのようなライブとなるのか、開催前から大きな話題を集めていた。

まずは上原が、軽やかなタッチでレキシの「狩りから稲作へ」を盛り込んだナンバーをピアノで奏で始める。だが、そのうち一人では場が持たなくなった上原は、「助けて! レキシ!」と助けを求める。

そこにスーパーマンのテーマと共にレキシが登場。健介さん格さん(Gt/奥田健介)、御恩と奉公と正人(Ba/鈴木正人)、ボボ・ニッポン(Dr/BOBO)、貝塚太郎(Key/磯貝サイモン)というそうそうたるメンバーと共に、上原をサポートしていく。

レキシは「助けに来たよ〜! イエーイじゃないよ本当に。果たして俺に助けられるのか…」とボヤきながら、「田植えの時期なんじゃないの?」と早速観客へアピール。そのまま「狩りから稲作へ」を“オシャレキシ”バージョンで披露。

物販では、観客がこの曲で掲げるためだけに稲穂が売られており、この日も多くの観客が稲穂を掲げ、“お約束”を知らない観客を困惑させていく。レキシも「ここで出さないと使うとこないよ!」と観客を煽りながら、上原のライブではまずお目にかかれない光景を演出していく。

レキシの登場によりすっかり彼の独壇場となりかけるが、本来の主役である上原ひろみは、超絶技巧でオシャレキシを盛り立てていく。さらには自らバンドメンバーを先導し、セッションタイムに突入。レキシの制止も笑顔でかわし、ダイナミックな演奏を展開した。

ライブでは長尺となりがちなこの曲だが、執拗なまでのコール&レスポンスや、メンバーの自由な演奏により、いつも以上のボリュームに。演奏を終えると、レキシは「俺が助けにきたのに勝手にやるのやめて! ひろみのバンドじゃないから!」と早速クレームを。

続く「姫君Shake!」でも、気持ちよく歌うレキシの後ろで上原とバンドメンバーがどんどんアレンジを加えていく。レキシが制止を促す度に演奏は熱を帯びていき、レキシは何とかなだめつつ曲をやり終えた。

「リハの倍はやったよね?まだやるの?」と語りかけるレキシに、上原はニコニコしながらピアノでフレーズを返していく。するとレキシは「ピアノで喋るのやめて! ランランララランランランじゃないよ!」とツッコみ、一連のやりとりに観客からも笑いが。

そんな無邪気な上原の姿に、レキシも「本当に楽しそうな顔して。でもひろみちゃんが楽しそうでよかった」と観念した様子。演奏がヒートップしすぎて、「二曲で尺が終わろうとしている」(レキシ)中、最後に披露されたのは「キラキラ武士」。

上原によるラテンジャズ風味のアレンジに、レキシの歌い回しもどことなくオシャレに。最後はレキシと上原がピアノの連弾を見せるなど、わずか3曲ながら濃厚かつ盛りだくさんなステージとなった。

“オシャレキシ”の熱狂冷めやらぬ中、足早にLAKESIDE STAGEへと向かう多くの人影が。続いての登場は日本ロック界のレジェンド・矢沢永吉! 開演の10分以上前から熱烈なファンがによる“永ちゃん”コールが響く中、真っ白な衣装に身を包んだ矢沢がいよいよ山中湖のステージに帰ってきた。

「イエーイ、ようこそいらっしゃい!」という第一声と共に、いきなりの「黒く塗りつぶせ」でライブはスタート。ホーンやコーラスを交えた大所帯のバンドによる骨太な演奏に、早くもライブはヒートアップする。

2年前SWEET LOVE SHOWERに初出演した矢沢だが、「2年前にやったときも雨で。でもその時は止めって言ったら本当に雨が止んだんですよ」と自慢げに告白。一方で「この雰囲気で行くのもロックだよね?みんな!」と語りかけ、そのまま「カモン・ベイビー」へとなだれ込む。

続いて披露されたのは、名バラード「古いラブレター」。降りしきる雨の中で力強く歌われる切ないナンバーが、このシチュエーションにあまりにも映えていて、観客たちも思わず圧倒されていく。

「キャロルというバンドから40年以上やってますけど、こうやってフェスに出れて。こんなに嬉しいことはないね」と、矢沢も若い観客との対面を楽しんでいる様子。そこから「共犯者」「サイコーなRock You!」を立て続けに演奏し、再びステージを熱くする。

そして終盤、お待ちかねの「止まらないHa〜Ha」が投下! 色とりどりのタオルが舞う感動的な光景の中、一時だけ雨足が弱まるという奇跡的な展開に、またしてもレジェンドのスゴさを目の当たりにする結果となった。

ラストナンバーは「いつの日か」。矢沢がステージを去る際、スタッフから「E.YAZAWA」のタオルをかけられると、あまりにも画になる光景に観客からは大きな歓声が。今日初めてライブを体験した若い世代の心も、がっちりと掴んでいった。

Mt.FUJI STAGEのトリを務めたのは[Alexandros]。ついにMt.FUJI STAGEを入場規制にしたそのステージは、降り止まないばかりかどんどんと強まっていく雨に呼応するかのように、壮絶なライブとなった。

雨による機材トラブルから、ステージ上にもテントが設置される中始まったライブでは、「Nawe, Nawe」で華々しく幕開け。そんな中、川上洋平(Vo・Gt)は「大人しいぞもっと騒ごうぜ!」とアピールし、「Kick&Spin」へ。美しい光の演出も相まって、異様な熱狂を生み出していく。

MCでは、川上が「皆さん楽しんでますか? 雨大丈夫? ごめんな俺たちだけ屋根ありで。楽器は濡れちゃうと演奏できなくなっちゃうからさ」と観客をねぎらいつつ、「でも俺らが濡れる分には全然問題ないんで。どんどん濡れに行きます!」とアピール。

そして「今日がお前らの一番の夏の思い出だぞ? そうさせてやる!」という言葉と共に、一大アンセム「ワタリドリ」を投下! 川上はずぶ濡れになりながらの熱唱で観客を盛り上げ、観客の心に宣言通り最高の思い出を刻みつけていった。

いよいよことしのライブも終了間近。大トリを務めるのはASIAN KUNG-FU GENERATION。雨が幾分小雨になる中、最後の瞬間を楽しむべく集まった観客にまず披露されたのは「Re:Re:」。懐かしのナンバーに、早くも観客のボルテージは高まっていく。

続いては「震動覚」。同じく代表作『ソルファ』からの楽曲に、観客からも熱い歓声が。そこから「リライト」へと続く展開には、ファンから軽いどよめきが起こるほどの「攻め」のセットリスト。ステージ全体を巻き込んだ「リライトして〜♪」の大合唱は圧巻の光景となった。

最新シングル「ブラックサーキュレーター」で盛り上げたかと思えば、名曲「君という花」まで披露するという大盤振る舞い。まさに新旧織り交ぜたセットリストを展開。

MCでは後藤正文(Vo・Gt)が「さっきまで保ちそうかなと思ったんだけど、うちの山田(貴洋)が山中湖をバックに写真撮ってから雨が降りだして。何か神に祟ったんじゃないかな?」と明かし笑いを誘う。

「我々ことし結成20周年です。スペシャには僕らがデビューしたてのブスだった頃からお世話になってて。おかけでようやく、モザイクなしでメディアに出れるようになったかなと(笑)」(後藤)と、改めてSPACE SHOWER TVへの感謝を口にした。

そして、「若いときの気持ちの、部活で音楽やってた頃の感じの曲を。俺が歌詞書いてたわけじゃないけど(笑)」という言葉と共に披露したのは「ソラニン」。青春時代を思い返す切ない歌詞に、観客は思い思いの表情で聞き入っていた。

本編ラストの「今を生きて」を終えても、まだ帰りたくない観客から熱烈なアンコールが。再びステージに登場した後藤は「すごい雨の中、最後まで残ってくれてありがとう。寒いのでね、最後に身体があったまるやつやります。はしゃいで帰ってください」とコメント。

そこで披露したのは、何と初期の名曲「遥か彼方」! これには最後まで残っていた観客も思わず熱狂し、最高の夏の締めくくりとなった。