主人公がウルトラマンを「許せない」衝撃の「ウルトラマンオーブ」15話

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「俺はオーブを許せない……」

意識不明のナオミの手を握り、クレナイ ガイが呟く……。

明るく楽しいエピソードが多かった『ウルトラマンオーブ』だが、中盤に入って異様に重い展開が続いている。先週放送された第15話「ネバー・セイ・ネバー」は異次元からやってきた超強力ロボット・ギャラクトロンとの決着編。デッカい剣で串刺しにされたオーブとギャラクトロンに取り込まれたナオミの運命は……?


再び爆発! サンダーブレスターの残虐ファイト!


ウルトラマンオーブを一蹴したギャラクトロンは、シン(ねりお弘晃)、ジェッタ(高橋直人)、シンを見守るネジメーカーの社長・小舟(木之元亮)に向かって、地球の生態系もろともリセットすると言い放つ。

かつて『ウルトラマンコスモス』に登場したデラシオンは、地球が宇宙に害をなすものと見なしてすべての生命を根絶やしにしようと企んだが、ギャラクトロンは自然もすべて滅ぼそうというのだから、思想がさらにエクストリームだ。

空中浮遊したギャラクトロンの閃光攻撃で周囲数百メートルが一気に焼け野原に! あそこに人は住んでいなかったのだろうか……。ギャラクトロンに無残に敗れてしまったクレナイ ガイ(石黒英雄)は禁断の切り札、サンダーブレスターへと変身する。ガイにはサンダーブレスターを制御する自信がない。しかし、「ネバー・セイ・ネバー。できないなんて言わないで」というナオミ(松浦雅)の言葉が勇気を与えたのだ。

最強であり最凶である暗黒に堕ちたウルトラ戦士・ウルトラマンベリアルとウルトラ兄弟の長兄・ゾフィーという「闇と光の力」を借りて変身するサンダーブレスター。ビートル隊のゼットビートルを「邪魔だ!」とばかりに撃墜するという衝撃の登場を見せた後は、底知れぬパワーと残虐ファイトで、ナオミが乗ったままのギャラクトロンを攻撃する。ナオミの言葉で変身を決意したのに、ナオミを攻撃し続けるとは何たる皮肉。

ギャラクトロンの巨大な尻尾(ギャラクトロンシャフト)を引っこ抜き、ご丁寧に踏み潰した後、「ワハハ」と高笑いするサンダーブレスター。正気を取り戻したナオミの悲鳴などまったくおかまいなく、ギャラクトロンを徹底的に破壊しようとする。サンダーブレスターの戦い方は、爽快なアクションではなく、後味の悪いバイオレンス(暴力)だ。

ギャラクトロンが「暴走する正義」なら、サンダーブレスターもまた「暴走する正義」である。結局、ナオミを乗せたままのギャラクトロンに必殺のゼットシウム光線を浴びせて木っ端微塵に破壊。奇跡的に生き残ったナオミも意識不明の重体で病院に搬入される。ガイは勝負には勝ったが、心は負けたままだ。

病院に駆けつけたガイは、ナオミの手をとって「俺はオーブを許せない……」と呟く。かつて、ガイは戦いの中で大切な女性を傷つけてしまったという過去があった。そして今、再び大切な人を傷つけてしまった。取り返しのつかない過去という闇と、サンダーブレスターという闇を抱え、再びガイは姿を消す。

熱い! ヒビキ隊長……いや、小舟社長名言集


冒頭からエンディングまで、ただの一度も笑顔が出なかった第15話。なにせ、柳沢慎吾ちゃんが出ているのに一度も笑顔がないんだから尋常じゃない。遊び回とシリアス回の区別なく突き進んできた『ウルトラマンオーブ』にしては異色の、シリアス方向に思い切り振ったエピソードだった。

映像は今回もすさまじく、車でトンネルから出たらウルトラマンオーブがギャラクトロンに捕獲されている様子が飛び込んでくるショットや、ウルトラマンオーブが工事中の高速道路を破壊する特撮、サンダーブレスターがギャラクトロンを蹂躙するときの360度回り込みショットなどなど、見ていて「オッ」となるものばかり。

今回のエピソードでキーマンになったのが、『ウルトラマンダイナ』で熱い男・ヒビキ隊長を演じた木之元亮が扮する小舟社長だ。科学と自分の無力さを痛感して落ち込むシンや、闇を抱えて苦しむガイに対して、力強い言葉を返していく。どれも胸に迫る“名言”なので抜粋してみたい。

「二種類の人間がいるんだよ、シンくん。ほかの連中が疑っているものを信じるヤツと、ほかの連中が信じているものを疑うヤツ。発明家はその両方じゃないといけねぇ。だから無理にでも顔を上げて、前を見るんだよ、シンくん!」

「機械は体温を計れても、想いの熱さは計れねぇ。人間は違うだろ? 人は、人の想いの強さに共感できる。なぜかわかるか? (心があるからですか?)そうだ、俺たちにはハートがある。だから大自然は争っているんじゃなく、支え合ってるんだってわかる」

「けっして争っているんじゃねぇよ。この星は、バラバラに生きる道じゃなく、協力しあって、ひとつのでっかい命として生きる道を選んだんだ!」

「だからよ、シンくん。頭じゃなく、ハートで物事を見ろ! あのロボットには見えなかった世界を見据え続けるんだ」

「よかった……よかったッ! フンッ! よかったなぁ……」

「科学と同じだ。強力なパワーを作り出した途端、破壊と暴力に飲み込まれてしまう。その闇に、制御が効かなくなる」

「自分の闇ってのはな、力づくで消そうとしちゃいけないんだ。逆に抱きしめて、電球みたいに自分自身が光るんだ。そうすりゃ、グルッと360度、どこから見ても闇は生まれねぇ」

小舟社長はシンだけでなく、ガイにとっても重要なメンターのようだ。最後のセリフがガイ復活のカギを握っているような気がしてならない。

この記事が配信されている頃には放送が終わっている第16話は「忘れられない場所」。
ガイが自分の過去=闇を見つめるエピソードだ。ジャグラーさんも復活! 合体魔王獣ゼッパンドンも登場するぞ! 見逃してしまったあなたには、円谷プロダクション公式チャンネル「ウルトラチャンネル」で1話まるごと見逃し配信中です。闇を照らして、悪を討つ!
(大山くまお)