生活習慣病や難病が増え続ける現代社会。その中で健康を守るために必要な“免疫力”をどう高めるか。免疫力が高まれば、病に罹りにくい強い身体になる。そのためには、どんな生活をすればいいのか。

 まず免疫とは、何を示す言葉なのか。文字をばらせば、「病を免れる」となる。
 医学博士で総合医療クリニックを営む久富茂樹院長が、こう話す。
 「免疫とは、非自己である病原体や毒素を排除しようとする働きのことです。さらに、白血球を中心とする病気の予防システムもその機能といえます。病気に対する抵抗力、病気を予防する力と解釈すればいいでしょう」

 しかし、現代は免疫力を低下させる要因が溢れている。
 「かつての栄養状態が悪い時代と比べれば、今は平均寿命は延びています。しかし、過剰なストレスや運動不足、体を冷やす習慣、夜型生活などなど、現代にありがちな生活習慣は免疫力を低下させるものが多い。そのために寝たきりの方の数は増加し、生活習慣病や難病も増えているのです」(同)

 免疫を司る白血球は、リンパ球、顆粒球、単球から構成されている。
 新潟大学大学院教授の安保徹氏は、免疫が正常な状態においては、リンパ球と顆粒球が占める割合がそれぞれ35%、60%であることを解明。さらに、それをコントロールしているのが自律神経であることを突き止めた。
 「自律神経とは、血液循環や血圧、臓器の働きなどを、意思とは無関係にコントロールしている神経です。さらに自律神経は、緊張時に働く交感神経と、安静時に働く副交感神経から成り立っていますが、両者はシーソーのような相対的な関係にあり、一方が優位に働くと他方の働きは抑えられます」(安保氏)

 すなわち、ストレスを受けると自律神経のバランスが交感神経に優位に働き、結果、リンパ球が減り顆粒球が増えることになる。
 「一方、ストレスに対し適切な対処をせず、慢性的に継続させた場合、白血球の顆粒球が優位になる。顆粒球が過剰になれば臓器の炎症が起きやすくなり、活性酸素が増え、さまざまな病気を引き起こす原因になります」(医療ライター)

 ということは、ストレスが全くない生活を送ればいいと考えるかもしれないが、前出の久富院長によれば、それもまた免疫力を低下させるというのだ。
 「運動不足など、ストレスや緊張の全くない生活は、慢性的な副交感神経が優位の状態をもたらします。副交感神経が優位になり過ぎると、白血球のバランスもリンパ球過剰となるため、免疫力は低下してしまうのです」

 つまり、ストレスとリラックスのバランスがちょうどいい時に、自律神経が安定して白血球のバランスも適正に保たれ、免疫力も高くなるというわけだ。