来日を果たしたジャスティン・リン監督にインタビュー!

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おなじみ『ワイルド・スピード』シリーズの監督であり、ハリウッドを代表するアジア系監督のひとりであるジャスティン・リン。最新作『スター・トレック BEYOND』(公開中)を引っさげて来日したリン監督が、「スター・トレック」に対する特別な思いを語ってくれた。

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すでに監督することが決まっていた他の作品を断ってまで、本作を優先させたというリン監督。彼にとって「スター・トレック」は幼いころから特別な作品だったからだ。

「僕は子どものころに台湾からアメリカに移住したんだけど、当時見ていた『スター・トレック』のTVシリーズから、血の繋がりだけが“家族”ではないということを学んだんだ。『スター・トレック BEYOND』でもそういった仲間の絆は描かれているんだけど、じつは今回の映画を撮り終わった後に『ワイルド・スピード』も、幼少期の記憶にある『スター・トレック』から多くの影響を受けていたことに気づいたんだ」。

50周年を迎えた「スター・トレック」は、TVシリーズの放送開始当時からメインキャストにアジア人や黒人を据え、人種の壁を打ち破った作品としても有名だ。リン監督の作品にも多くの人種が登場するが、「スター・トレック」からの影響を考えると合点がいく。

「僕が育ったころは、『スター・トレック』でしかTVでアジア系の顔を見ることができなかった。それ以外の番組では、アジア人はカンフーマスターとか観光客とかそういった役ばっかり(笑)。ちゃんとした人間として描かれることはなかった。でも『スター・トレック』ではしっかりと仲間のひとりとして描かれているんだ」。

さらにリン監督は続ける。「例えば、シルベスター・スタローンが演じるロッキーはアジア系ではないけど、ひとりの人間として共感が持てる。それは人種の問題ではない。あと、僕は政治的な主張から人種の多様性を見せようとしているのではなくて、現実に僕の住む世界が多様性に満ちているからなんだ。自分の映画には自分が住む世界を反映させたい。そういう意味で、いまだにアメリカも考え方が遅れていると思うし、もっといろんなタイプの人が出るべきだと思うよ」。

大切なことを「スター・トレック」から学び、その考え方に影響されて映画を撮ってきたリン監督が、再び「スター・トレック」にそのエッセンスを持ち込む――。宇宙を舞台にしたSF作品である『スター・トレック BEYOND』が共感性に富み、人間味のあるものになっているは、リン監督の個人史を考えれば当然のことかもしれない。【取材・文/トライワークス】