新海誠監督に“ポスト宮崎駿”の声も!? 韓国ファンも期待する『君の名は。』の可能性

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日本で興行収入154億円を突破した映画『君の名は。』が、お隣・韓国でも高い評価を受けている。

きっかけは10月6日〜15日まで行われた釜山国際映画祭だ。同映画祭には69カ国から299作品が招待されたのだが、そのなかでも圧倒的な人気を集めたのが『君の名は。』だった。

新海誠監督はもちろん、声優を務めた神木隆之介、上白石萌音も釜山国際映画祭に出席。毎年、注目を集めるセクシードレスに身を包んだ人気女優たちの露出バトル以上と言っても過言ではないほど、スポットライトを浴びた。

実際に、チケットは発売開始からわずか1分で全席完売となるほどの大盛況。熱狂的なファンはそのチケットを手に入れるために、20万ウォン(約2万円)で取引したりしたとも報じられている。

反響の高さを受けて、韓国メディアも注目している。特に興味深いのは、数々のアニメ名作を生み出してきた宮崎駿監督と比較して語られている点だ。

「“ポスト宮崎駿”新海誠の新作『君の名は。』国内初公開」(『Newsen』)、「『君の名は。』新海誠、日本アニメーションの第一人者が世代交代」(『OSEN』)、「非ジブリ『君の名は。』、宮崎駿の『ポニョ』も超えるか」(『TVREPORT』)などなど。

というのも、韓国でも宮崎駿監督の作品が大人気だからだ。韓国では2000年12月に『風の谷のナウシカ』が公開されたのを皮切りに、宮崎作品が次々と上映。日本と公開順が異なる点がおもしろい。

韓国では『ナウシカ』の後は、『となりのトトロ』(2001年7月)、『千と千尋の神隠し』(2002年6月)、『もののけ姫』(2003年4月)、『紅の豚』(2003年12月)となっており、続いて『天空の城ラピュタ』(2004年4月)、『ハウルの動く城』(2004年12月)、『魔女の宅急便』(2007年11月)、『崖の上のポニョ』(2008年12月)、『風が吹く』(2013年9月)の順に公開されている。

特に人気が高かったのは『ハウルの動く城』で、韓国では観客動員数300万人を超える大ヒットとなった。一部には評価の低い作品もあるようだが、『千と千尋の神隠し』などは2015年2月に“再公開”されているくらいなので、いかに人気があったかがご理解いただけると思う。

(参考記事: 韓国の映画ファンが評価するスタジオジブリ作品のベスト10とワースト1位は?

日本ではジブリ作品や『君の名は。』のようにアニメ映画がヒットすることは珍しくないが、韓国映画界にとってアニメ作品は鬼門といえる。「なかなか出資してもらえない」「作ってもスクリーンが確保できない」「日本のアニメ映画に押されて観客動員が難しい」というのが現実なのだとか。日本のアニメ映画が韓国映画界にも影響を与えているわけだ。

ちなみに、韓国映画界に影響を与えている日本映画はアニメ作品だけではない。日本の成人映画も数多く韓国市場に進出しており、韓国の成人映画産業は日本作品によって壊滅したとさえ言われているほど、さまざまな影響を与えている。釜山国際映画祭でも行定勲監督の初のロマンポルノ映画『ジムノペディに乱れる』が公開され、「釜山の夜を熱くしたロマンポルノ」(『OSEN』)と評価されていた。

韓国では2017年1月に一般公開が決まっている『君の名は。』。日本国内で歴史的な大ヒットを続ける勢いそのままにアジア、世界へと反響は広がっていきそうだ。

(文=慎 武宏)