Doctors Me(ドクターズミー)- 閉経はいつ起こるの? 閉経の徴候と疾患リスクについて

写真拡大

月経がみられる女性であればいつかは迎えることになる閉経は、いつ頃起こるのでしょうか。

閉経が近づく時にみられる症状や閉経とはどのようなものなのか、どのような変化が起こるのかを詳しく解説していきます。

要チェック項目


□閉経とは卵巣機能の低下によってエストロゲンの分泌が激減することで起こる様々症状である
□閉経前後はホットフラッシュやイライラなどの精神症状がみられ、骨粗鬆症、脂質異常症などの疾患リスクも高くなる
□閉経の症状は事前に対応策をとっておくことで和らげることができる

閉経とは

閉経とは、加齢により、卵巣の機能が低下して生理的な月経が永久的に停止する状態です。45歳以上の方で、1年間連続して月経がみられない場合に閉経と診断されます。

閉経の平均年齢は50〜52歳と言われていますが、個人差があり、40代後半から50代後半までに見られるのが一般的です。

しかし、40代前半、30代、20代の早いうちから閉経がみられる方もいます。早くに閉経を迎えることは早発閉経と呼ばれ、不妊治療の対象となる場合もあります。

反対に、50代後半を過ぎても月経が続いている方は遅発閉経と呼ばれます。遅発閉経の場合は、ホルモン依存性の悪性腫瘍が隠れている場合もあるので注意が必要です。

閉経はなぜ起こるのか

女性は加齢によって卵巣の機能が低下して排卵が起こらなくなると、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が著しく低下します。

月経周期において、卵巣から卵胞が発育し、排卵が起こると黄体ホルモンが分泌されますが、排卵が起こらないので黄体ホルモンも分泌されず低下します。

すると、脳下垂体から少なくなった卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌を促そうと、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌が活発になります。

ですが、卵胞ホルモンの分泌は物理的に行なえなくなっているため、卵胞ホルモンと黄体ホルモンは著しく低下したままで、卵胞化ホルモンと黄体化ホルモンが非常に多くなり、ホルモンの状態がアンバランスとなります。

今までは周期的に増減しながら分泌されていた女性ホルモンが急激に変化するため、ホルモンバランスが崩れることでみられる症状や、卵胞ホルモン(エストロゲン)が欠乏することで起こる症状などがみられるようになります。

閉経が起こる徴候

卵巣機能の低下はある日突然起こるものではなく、徐々に起こり始めます。それにより、ホルモンバランスの大きな変化から様々な身体的症状や精神的症状が見られやすくなります。

月経の乱れ


卵巣機能が低下して、月経が周期通りに起こりにくくなる。

経血量の変化


閉経が起こる前は、経血量が多くなり、短い日数で一気に終わることもある。

月経周期が不規則になる


2〜3カ月間、月経が来ない時期があってまた来るなどが見られる。

ホットフラッシュ現象


突然の顔や首のほてりや発汗、動悸、倦怠感、めまい、肩こり、頭痛などの身体症状が現れる。

精神的な症状の変化


イライラ、気分の落ち込み、情緒不安定、不安感、夜に眠れない、涙もろくなる、やる気がなくなるなどがみられる。

その他


便秘や下痢、食欲不振、吐き気などの胃腸症状が見られることも。

更年期がみられる50代前後は子供の巣立ちなどの女性のライフスタイルの変化も起きやすい時期でもあり、本人の周辺環境や、もともとの本人の性格などの影響もあり、人によって症状の出方や症状の度合いが異なります。

生活に支障をきたすほどの辛い症状がみられる時は更年期障害と呼ばれ、治療の対象となります。

閉経後の症状

閉経を迎えた後は、エストロゲンが欠乏することによって以下のような症状が見られます。

・生殖器や泌尿器の萎縮症状が見られ、陰部のかゆみや尿失禁、性交痛

・膣や尿道の内膜が乾燥しやすく、傷つきやすくなっているのでが膣炎や尿路感染症を起こしやすくなる

・肌の弾力や張りを構成しているタンパク質が減少するので、乾燥やかゆみ、湿疹、むずむずするような感じ、たるみ、しわなどがみられる

・エストロゲンは脂質代謝にも関与しているため、悪玉コレステロール値が高くなりやすく、動脈硬化や脂質異常症などがみられやすくなる

・合併症である脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも高くなる

・エストロゲンは骨量の維持にも関与しているので、骨粗鬆症となり、骨折しやすくなり、腰痛、関節痛、筋肉痛などもみられる

閉経を迎える時のケア

閉経によって起こり得る症状をあらかじめ知っておくことで、症状が現れた時の対処が行いやすくなります。

例えば、以下のような対応を心掛けると良いでしょう。

カフェインを控える


ほてりや発汗などのホットフラッシュ現象は、香辛料などの刺激物やコーヒー、紅茶などのカフェインを含む飲料で誘発されることも多いので控えましょう。

通気性の良い衣服を着る


突然の発汗にも対応できるように体温調節をしやすく、通気性の良い衣服を選ぶようにします。

ストレスを発散を心がける


イライラや不眠、気分の落ち込みなどの症状を助長しないように、ストレスを発散し、リラックスできる時間を設けるようにします。適度な運動を継続することや腹式呼吸なども自律神経の働きを安定させることに有効です。

お尻の筋肉を鍛える


尿失禁の予防には、骨盤底筋群を働かすための、お尻上げなどの体操が有効です。

生活習慣の対応だけでは症状の改善が難しい場合には、婦人科を受診してホルモン療法を受けることもひとつの選択肢ですが、ホルモン療法によって乳がんや脳卒中、血栓症、認知症などの疾患となるリスクが高くなることも言われていますので、よく相談するようにしましょう。

閉経を迎える前に心構えを

閉経は月経のみられる女性ではいずれ迎えることになる生理現象です。女性ホルモンの分泌の変化によって様々な身体症状、精神症状が見られます。

自律神経の働きの乱れによる症状は、生活習慣の見直しにより、和らぐことも期待できますので、閉経を迎える前から心と体を整えるように意識していくことも大切です。

(監修:Doctors Me 医師)