多くの人が力をあわせる「チーム」が仕事を進める上で重要なことは何か、Googleの社内チームを研究して見えてきた重要なポイント5つがまとめられています。

re:Work - Guide: Understand team effectiveness

https://rework.withgoogle.com/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

◆何が「チーム」を定義づけているのか



「効率の高いチームを作るものは何か?」と問いかける際に重要なのが、そもそも「チームとは何か?」を認識することであるとのこと。メンバーであること、関係性、そして個々人の責任について明確にすることで、チームの効率性は大きく向上するといいます。

その中で意識すべきなのが、「ワークグループ」と「チーム」の違いを認識すると言うこと。この2つは以下のような意味の違いを持っています。

・ワークグループ:お互いの相互関係の少ないのがワークグループです。ワーキンググループは組織としての、そして上下関係としてのヒエラルキー(上下構造)によって形づくられます。ワークグループでは、定期的に集まって情報の交換を行います。

・チーム:一方、チームはお互いの相互関係が強く、全体で計画を立て、問題を解決し、決定を下し、進行中のプロジェクトの進捗を確認し合います。チームでは、仕事を成し遂げるために他のメンバーの存在が必要です。

構造としての「組織」を見るだけでは、チームに重要なことがほとんど見えてきません。そのため、Googleの研究チームはメンバー間の相互関係が強いチームを選んで調査を行いました。選ばれたチームは3人から50人からなるチームで、平均メンバー数は9人となっています。

◆「効率性」とは



次に調査チームは、効率性を評価するために、いかにしてチームの能力を定量化するのかについて検討します。一般的に、チームの効率性を評価する際には、作られたプログラムの行数やバグの数、顧客満足度などの項目が取り沙汰されることが多いものですが、Googleの調査チームではこれらの項目を使わずに、「質的評価」と「定量評価」の組み合わせで評価を行うことを決めたとのこと。

「質的評価」を行う際は、会社の「重役クラス」「チームリーダー」「チームメンバー」の3グループからの情報を集めました。3つのグループに対して同様の評価軸に沿ってチームを採点させたのですが、その結果からは各グループはそれぞれ違う目線でチームを評価していることが浮き彫りになったとのこと。



重役グループが最も重視したのは「結果」でしたが、チームメンバーのグループはチームの効率性を評価する上で最も重要なものは「チームの文化」であると回答しました。そして当然のように、中間に属するリーダーのグループは、双方の中間に相当する回答を行ったとのこと。

ここから研究チームは、チームの効率性を以下の4つの観点から評価することにしました。

1.重役クラスによるチーム評価

2.チームリーダークラスによるチーム評価

3.チームメンバークラスによるチーム評価

4.四半期ごとのノルマに対する売り上げ実績

「質的評価」からは、結果とチーム文化に対するニュアンスをくみ取ることができますが、その特性として「主観的である」ということから逃れることができません。一方で、「定量評価」はチームの成績をハッキリと形に表すことができる一方で、立場によって変化する評価の違いをくみ取ることができません。しかし、両方の手法を組み合わせることで、研究チームはチームの評価をより正確に行うことを目指しました。

◆データの収集と効率性の評価



研究チームは、管理者クラスの人物から入手した情報をもとに、パフォーマンスが高いチームと低いチームを含む180チームを世界中のGoogle社内から選んで調査を開始しました。研究チームは対象となるチームの構成(「個人の個性」「営業能力」「メンバーの属性を現すデモグラフィック」)とチームのダイナミズム(「メンバー同士の働きやすさ」)がチームの効率性に与える影響力を評価しました。

ここでは、リーダーに対してダブルブラインドテスト(二重盲検法)の手法を用いた聞き取り調査を行い、チームの効率性を高めるために何が重要であるか考えているのかを調査。その結果をGoogleが従業員に対して実施している業務に対する調査などと比較し、実際には何が効率性に影響を与えているのかを突き止めます。この時に用いられた質問の内容は以下のようなもので、与えられた項目について合意できるか、反対できるかを回答させたとのこと。

・グループのダイナミクスについて:「私はチームに対して反対意見を表明することができる」

・スキルセットについて:「私は目の前にある障害や障壁を避けて進むことが得意だ」

・個性について:「私は他の人から見て信頼できる従業員だと思う」

・感情的知性について:「私は他の人が抱えている問題について関心がない」

これらに加え、在任期間や役職、勤務地などのデータがあわせて収集されました。

◆浮き彫りになった「完璧なチームを作る5つの要素」とは

これらのデータをもとに、研究チームは効率的なチームでは次の5つの項目が共通して備わっていたと結論づけています。なお、この結果はあくまでGoogleにおけるものであり、会社や組織によっては当てはまらないものもあるかもしれない、という注釈が付けられています。

・心理的安全性:チームで働く上において、自分が正しく受け入れられているかという心理的な安全感があるか。メンバーから攻撃されたり、非難されることがないチームでは、質問をしたり、新しいアイデアを披露することにためらいが生じない。

・信頼性:チームメンバーの仕事の能力についての信頼性。「質の高い仕事を定められた時間内に終わらせられるか」といった項目について相手を確実に信頼することができるか。

・組織構造と透明性:与えられている仕事について求められている内容が理解できているか、それらを満たすためにどのように仕事しているか、そして個人の仕事がチーム全体のパフォーマンスにどのような影響を与えるか、についての理解。仕事のゴールは個人及びチームの能力に応じて与えられ、その内容は明確で、チャレンジしがいのあるもので、かつ成し遂げられるレベルでならなければならない。

・意味:個人が行っている仕事と、その結果が持つ意味を理解できているかどうかがチームの効率性において重要。

・仕事が与える影響:個人及びチームの仕事の結果が、どのような影響を与えるかを理解することが重要。チームにおいて自分の働きが他のメンバーにどのような影響を与えているのかについて理解することで、チーム内における存在を確認することができる。



研究チームは以上の5点が効率の良いチームに共通して備わっている特質であると結論づけています。その逆に、以下のような項目はチームの効率性について、少なくともGoogleの中では意味を持たないことが明らかになっています。



・チームメンバーの地理的要因(1つのオフィスで一緒に働く必要性なし)

・コンセンサスに基づいた意志決定

・チームメンバーの外向性

・チームメンバーにおける個人の能力

・仕事の大きさ

・年功序列

・チームの大きさ(人数)

・在任期間