登壇したオダギリジョー

写真拡大

 夭折の作家・佐藤泰志氏の小説を映画化した「オーバー・フェンス」のトークイベントが10月21日、東京・テアトル新宿で行われ、主演のオダギリジョー、メガホンをとった山下敦弘監督が登壇した。

 9月17日の初日挨拶では、オダギリは阪本順治監督の最新作「エルネスト」の撮影でキューバに滞在していたために欠席。「超余談ですが」と前置きし、日焼けした顔を見せながら「シャワー浴びると普通白い泡が流れますが、今はちょっと茶色いのが流れる。薄皮が取れて取れて、というくらい焼けています。毎回お風呂に入るのが心配になる」とひょうひょうと語った。

 今作は韓国で開催された第21回釜山国際映画祭に出品されており、オダギリ、蒼井優、山下監督が公式上映にあわせて現地入り。キューバから釜山へ直接飛んだというオダギリは、「正直に申し上げますと、時差ボケもあってほとんど覚えていない」と苦笑交じりに振り返る。夜は山下監督らと街に繰り出したそうだが、「皆で飲んだんですけど、漫画のような千鳥足で帰っていたらしい。その記憶すらない。なので釜山は、僕のなかでなかったことになっています」と明かしていた。

 さらにオダギリは、「主役をやる気持ちは本当に重い。それだけ責任を負うので、あまりやりたくない仕事」と告白。それでも、「こういう面白い台本はやりたくなることがあり、やったらすごくいい作品になった。ベストですね」と充実感たっぷりに話し、「キャストもスタッフも同世代が多く、皆で話し合ってものづくりが出来た気がする。関われてよかったです」とほほ笑む。公開から約5週間が経過したこの日も、劇場は観客で埋め尽くされただけに、「数字(興行収入)が小さかったら僕が叩かれる立場。数字がついてきましたし、(思いが)誰かに伝わったとわかっただけでも意義がありました」と手応えをにじませた。

 原作は、芥川賞候補に5度名を連ねながら、1990年10月に41歳で自殺した佐藤氏の同名小説。家庭をかえりみず妻に見限られ、故郷の函館で職業訓練校に通う白岩(オダギリ)が、風変わりなホステスの聡(蒼井)と出会い、強く惹かれていく姿を描いた。