1

By Claudio Pozo

野球、サッカー、バスケットボール、アメリカンフットボールなどのスポーツを題材にしたゲームは多数あり、ゲームの中でも人気ジャンルの1つです。昨今のプロスポーツ選手の中には、幼少期にゲームをプレイしていた世代の人が増えており、プロサッカー選手がサッカーゲームから受けた影響について明かしています。

How Video Games Are Changing the Way Soccer Is Played - The New York Times

http://www.nytimes.com/2016/10/14/sports/soccer/the-scouting-tools-of-the-pros-a-controller-and-a-video.html

イングランドの名門・アーセナルFCに所属するアレックス・イウォビ選手は、2015ー16シーズンの弱冠19歳の時にトップリーグのプレミアリーグでデビューし、2016ー17シーズンもコンスタントに試合に出場している期待の若手選手です。

写真の右側にいるのがイウォビ選手。イウォビ選手といえば元ナイジェリア代表で、アトランタオリンピックではナイジェリア代表に金メダルをもたらしたジェイ・ジェイ・オコチャ氏の甥っ子としても知られています。身近にサッカー選手として最高の手本となる存在がいたわけですが、それにもかかわらず実際は現代っ子らしい部分からサッカーを学んでいるそうです。



By joshjdss

イウォビ選手が、それまで見たことのない選手と試合で対峙するときによくすることがあります。それは、見たことがない選手が「FIFA」というサッカーゲームでどれくらい能力が高いかを思い出すこと。サッカーゲームが好きなイウォビ選手は、サッカーゲームから得た情報を実際のプレイに生かしていると言います。

ゲームのFIFAシリーズは、サッカーの国際統括団体であるFIFA公認のサッカーゲームなので、チームや選手が実名で登場します。世界30以上のリーグと650以上のチームを収録するFIFAは、プレイ可能なサッカー選手に独自のレーティングシステムで導いた能力値を設定していて、プレイしたことがある人なら能力値を見ると「足が速い」「ドリブルがうまい」など選手のだいたいの特徴がわかります。FIFAの他にもコナミの「ウイニングイレブン」というサッカーゲームもサッカー選手の間で人気があります。

FCバルセロナに所属するリオネル・メッシ選手が、ユース時代に3時間ぶっ続けでサッカーゲームをプレイしていたり、遠征先のホテルで他のチームメイトと一緒にプレイしたりするという話もあります。また、チェルシーのキャプテンを務めるジョン・テリー選手がシーズンが始まる前日にチームメイトとウイニングイレブンの大会を開いたり、4つのリーグで優勝を経験したズラタン・イブラヒモビッチ選手が「若いときはサッカーゲームなら10時間くらいぶっ続けでプレイできた」と自伝で明かしたりなど、プロサッカー選手がサッカーゲームをプレイしているという話は無数にあります。



By Bibliotheek Kortrijk

アーセナルのイウォビ選手は幼いときからゲームをプレイしていた世代で、FIFAではFCバルセロナのロナウジーニョがお気に入りの選手。「ロナウジーニョは魔法のようなテクニックを持っているんだ。ゲーム内でのロナウジーニョは、現実ではあり得ないプレイを見せてくれる」とイウォビ選手は語っています。

また、ロナウジーニョ選手と同じくらい気に入っていたのがセルティックで中村俊輔選手と同じ時期にプレイしていたエイダン・マクギーディ選手です。マクギーディ選手がFIFAでみせるエラシコを見たイウォビ選手は、すぐに庭に飛び出してエラシコの練習をしたとのこと。ゲームで見た技を実践して自分のテクニックをみがいていたというわけです。

イウォビ選手が参考にしていたFIFAのマクギーディ選手のターンは以下のムービーから確認可能です。

Turn & Spin (McGeady Spin) ★★★★★ (Tutorial) :: FIFA 15 [PS4 / Xbox ONE] ᴴᴰ - YouTube

サッカーゲームから得たものを試合で実践しているのはイウォビ選手だけではありません。前述のイブラヒモビッチ選手が「サッカーゲームで見えてくるトラブルへの対処法を、実際の試合で使うことがある」と話したり、バイエルン・ミュンヘンに所属するドイツ代表のマッツ・フンメルス選手が「選手の中にはFIFAから学んだことを実践している人がいるかもしれない」とコメントしていたり、プロサッカー選手がサッカーゲームのプレイを参考にしているという話はたくさんあります。

FIFAやウイニングイレブンは「プレイヤーを操作して試合を行う」というサッカーゲームですが、「サッカーチームの監督となり運用・経営を行う」というサッカークラブ運営シミュレーションゲームもあります。その中でも絶大なる人気を誇るのが「Football Manager」です。Football Managerは50カ国以上のリーグと30万人以上を超える選手を収録しており、選手獲得からユース選手の育成、チーム戦術、スカウトの派遣、スタジアムの拡張など、クラブチーム運営に関するありとあらゆることをプレイヤーが行えるゲームになっています。

30万人以上登録されている選手一人一人に対して能力値が設定されており、そのデータは膨大。Football Managerの開発者の1人によれば、クラブチームの監督の中には、どの選手を獲得するかの参考としてゲームの開発者に意見を求める人もいるとのこと。



By CARL SPENCER

今では多くのクラブチームがデータアナリストをスタッフとして雇い入れており、サッカーに関するあらゆるデータを分析することは当たり前の時代になりました。データアナリストの中には、過去にFootball Managerをプレイしていたという人が多くおり、Football Managerの影響を受けたという人も少なくありません。

サッカーだけではなくアメフト選手の中にもゲームを試合に活用しているプレイヤーがいます。NFLのニューオーリンズ・セインツに所属しているドリュー・ブリーズ選手はアメフトゲームの「マッデンNFL」を休憩時間にプレイしていることをインタビューで明かしています。ブリーズ選手は「実際の試合で起こることのほとんどはゲームに反映されるし、ゲーム内のデータもリアルタイムで変化している。ゲームをプレイすることが多くのプレイヤーの手助けになる、そんな日がくると僕は信じているよ」と意見を述べていました。