過労死した電通社員・高橋まつりさんに「他人事ではない」。過労死事件は韓国でも起きていた

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電通の新入社員だった高橋まつりさんが過酷労働の末に自殺した事件は、早速韓国でも報じられている。

韓国メディアには、「1日20時間勤務…殺人的な労働の末に自殺した新入社員、労災認定」(『東亜日報』)、「新入社員の死を招いた残業…このままじゃダメだ」(『SBSニュース』)、「彼女は、会社に殺された」(『ヘラルド経済』)といった見出しがずらりと並んだ。

高橋さんが生前に残したツイッターの翻訳は、SNSやブログで話題になった。「かわいそうに…」という反応が多いなか、韓国人たちは口を揃えてこう言う。「他人事ではない」と。

去年、韓国では「情熱ペイ(情熱+Pay)」現象が社会問題に浮上した。

情熱ペイとは、若者たちの仕事に対する情熱(労働力)が、最低賃金もしくはタダで搾取される現象。

ファッション業界や大手企業では昔から暗黙のルールとされてきた情熱ペイが、度々テレビで取り上げられるようになったのだ。しかし、そういった番組の制作に関わるテレビ局のスタッフたちもまた情熱ペイの犠牲者だったりする。

実際に2008年には、徹夜していた新人放送作家がテレビ局の屋上から飛び降り自殺をした事件があった。

新人放送作家の主な仕事は、情報収集、プレスリリース作成とされているが、実際はそれだけではない。先輩作家たちのタバコやコーヒー、食事の買い出し、さらには自宅の掃除や子守まで頼まれる場合もあったそうだ。

また、現場や飲み会などでセクハラ・パワハラを受けるのも日常茶飯事。

それなのに、彼らは正社員ではなくフリーランスの身分で、雇用契約書も交わされないまま夜勤・休日出勤を繰り返したらしい。

月給は最低賃金に満たない80〜140万ウォン(約8万〜14万円)程度。ほとんどの人は、“新人”の看板が外れる前に体を壊して業界を去っていくという。

“世界一働く民族”と言われる日本と韓国。過労死のような悲劇が繰り返されないよう、社会の制度を見直す必要がありそうだ。

(参考記事:「先に頭を下げる必要はない」「食べたいときに好きなもの食べて」を“絶対原則”にした、韓国コンビニ店長のアルバイト愛

(文=S-KOREA編集部)